「もう記事にできる話題は、書き尽くしてしまったのかもしれない」。更新を始めた頃は書きたいテーマが次々に浮かんだだけに、思いつかなくなると、手持ちの話題を使い切ったと考えがちです。ところが、ネタが出てこないのは、話題が尽きたからとは限りません。書く日になってからテーマを考え始めると、案を集める作業と書くテーマを選ぶ作業を同じ時間にすることになり、頭の中の知識からしか案が出てこないのです。
本記事では、ネタを外から集める3つの出どころから、ネタ帳への書きため方、記事にするネタの選び方まで、記事の制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 案を集める作業と書くテーマを選ぶ作業を分けると、ネタ切れを防ぎやすくなる
- 案は、検索キーワード、営業や問い合わせで受ける質問、自社サイトのデータの3つから集める
- 集めた案はネタ帳に1行ずつ書きため、週1回の編集会議で書く記事を選ぶ
- 記事にする案は、読者がいるか、既存の記事と問いが重ならないか、自社の情報を足せるかで選ぶ
- 最初の1週目は、ネタ帳を作って今ある案を5本書き込むだけでよい
記事のネタが尽きる原因
記事のネタが尽きるのは、書く日になってから「今日は何を書こう」と考え始め、案を集める作業と書くテーマを選ぶ作業を同じ時間にしているからです。
案を集める作業は、検索結果やお客様の質問のように、頭の外にある材料を拾う作業です。書くテーマを選ぶ作業は、集まった案を比べて、今週書く1本を決める作業にあたります。書く日に両方を始めると、外の材料を見に行く時間がないため、頭の中の知識だけで案を出すことになります。
頭の中の知識から出る案は、すでに書いた記事と似たものになりやすく、更新を続けるほど新しい案は出にくくなるでしょう。

案を集める仕組みと、書く記事を選ぶ仕組みを分けることが、ネタ切れの対策です。案は外にある3つの出どころから集めてネタ帳に書きため、書く日はネタ帳から選ぶだけにします。
週1本の更新を始めて3か月ほどで、書くテーマが思いつかなくなりました。社内に記事にできる話題が、もう残っていないのでしょうか。
書くテーマが思いつかないときに先に見直したいのは、テーマを考え始めるタイミングです。
編集部
書く日に考え始めているなら、案を集める日を別に取ってみてください。検索結果やお客様の質問を見る時間ができ、社内の知識だけでは出なかった案を見つけやすくなります。
記事のネタを集める3つの出どころ
記事のネタを頭の外から集める出どころは3つあり、出どころごとに、読者について違うことがわかります。
出どころ | わかること | 集める頻度の目安 |
|---|---|---|
検索キーワード | 読者が検索窓に入れる悩みと疑問 | 月に1回 |
営業や問い合わせで受ける質問 | 比べて決める直前の人が知りたいこと | 週に1回 |
自社サイトのデータ | 自社サイトで答えを得られなかった問い | 月に1回 |
検索キーワード
検索キーワードからネタを出すときは、自社の事業のメインKWに続けて検索される語(サジェスト)を一覧にします。ラッコキーワードのようなツールを使うと、Googleのサジェストをまとめて書き出せます。
一覧から拾うのは、3語以上を組み合わせたKWです。「在宅勤務」の1語より「在宅勤務 昼ごはん めんどくさい」のほうが検索した人の悩みが具体的で、1本の記事で答える範囲を決めやすくなります。
検索結果に出る「他の人はこちらも質問」の欄も、ネタの出どころの1つです。欄に並ぶ問いは、同じKWで検索した人が続けて知りたくなる疑問の候補で、記事の見出しにも、別の記事のテーマにも使えます。KWで検索して上位の記事を開き、制度や料金が古いまま更新されていない記事が並んでいれば、そのテーマには新しい情報で書く余地があるでしょう。
検索キーワードからネタを出すときは担当者の感覚に頼らないため、担当者が替わっても同じ手順で案を出せます。
営業や問い合わせで受ける質問
営業や問い合わせの質問からネタを出すときは、営業担当やカスタマーサポートに「今月、お客様に何度も聞かれた質問は何か」を週に1回聞き、ネタ帳に書き足します。
何度も聞かれる質問は、見込み客の多くが共通して持っている不安や疑問です。「他社と何が違うのか」「価格は妥当か」「導入して失敗した例はあるか」のような質問は、検索数のデータには表れにくいものの、比べて決める直前の人が知りたいことにあたります。
質問に答える記事があれば、営業担当は商談で同じ質問を受けたときに記事を案内でき、問い合わせへの返信にも使えます。質問への答えは、自社の商品と現場を知る社内の人にしか書けません。生成AIで一般論の記事を誰でも書けるようになった今、自社にしか書けない答えは、ほかの記事との違いになります。
営業担当がいない会社や1人で運用している場合は、問い合わせのメールや商談の議事録を月に1回読み返し、繰り返し出てくる質問を拾います。
自社サイトのデータ
自社サイトのデータからネタを出すときは、Search Consoleの検索パフォーマンスのレポートで、表示回数は多いのに掲載順位かCTRが低いクエリを探します。表示回数が多いのに順位やCTRが低いクエリは、自社のサイトに関係があるとGoogleが判断しているのに、検索した人の問いにまだ答えきれていない候補です。
とりわけ見落とされがちなのが、新しい記事を書く前に、表示されている自社のページを確かめる手順です。同じ問いに答えるページがあれば、先にそのページに答えを足します。同じ問いに答える記事を2本に分けると、読者はどちらを読めばよいか迷い、情報を直す手間も2本分かかるためです。表示されているページと違う問いなら、新しい記事のネタとしてネタ帳に書きます。

※ Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定」(2026年10月28日確認)
サイトに検索窓がある場合は、GA4に記録されるサイト内検索の語句もネタになります。サイトに来た人が改めて検索窓に入れた語は、ページを読んでも答えが見つからなかった問いの候補です。GA4の拡張計測機能で「サイト内検索」を有効にしておくと、入力された語が「検索語句」として記録されます。記録されるのは、検索結果ページのURLにqやsなどの検索語のパラメータが付くサイトです。

※ Google アナリティクス ヘルプ「拡張計測機能イベント」(2026年10月28日確認)
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ネタ帳の作り方と週1回の編集会議
集めたネタ案は、スプレッドシート1枚のネタ帳に1行ずつ書きため、週に1回の編集会議で、その週に書く記事を選びます。ネタ帳に作る列は、次の6つです。
列 | 書くこと |
|---|---|
ネタ案 | 記事で答える問いを1文にしたもの |
読者 | ネタ案の問いを持つ人 |
狙うKW | 読者が検索に使う語 |
出どころ | 検索キーワード、営業や問い合わせの質問、自社サイトのデータのどれか |
自社の情報のメモ | 答えを知っている社内の人、使える資料やデータ |
状態 | 候補、今週書く、公開済み、既存の記事に回す |
ツールはGoogleスプレッドシートでもNotionでもかまいません。大事なのはツールより、案を思いついたその場で1行足すことです。会議中や移動中に浮かんだ案は、あとで書こうとすると忘れがちだからです。
編集会議は、毎週同じ曜日と時間に30分ほどの予定を入れて開きます。1人で運用している場合も自分宛てに予定を入れておくと、選ぶ時間を書く日と分けられます。会議で決めることは、次の3つです。
ネタ帳から、その週に公開する本数分の案を選びます。
よく読まれている記事で答えきれなかった問いを、1本の記事にできないかを見ます。
季節の行事や制度の改正のように時期が決まっているテーマは、3か月前にネタ帳から選び、準備を始めます。
記事にするネタを選ぶ3つの基準
記事にするネタは、編集会議で次の3つの基準を満たすかを確かめてから選びます。3つとも満たす案から先に書きます。
- 読者がいる:狙うKWで検索する人がいるか、営業や問い合わせで繰り返し聞かれている
- 既存の記事と重ならない:自社サイトに、同じ問いに答える記事がない
- 自社の情報を足せる:社内の知見、お客様の質問への答え、自社のデータのどれかを書ける
既存の記事と問いが重なる案は、新しい記事にせず、既存の記事に答えを足すネタに回します。自社の情報を足せない案は、検索上位の記事と同じ内容になりやすいため、社内で答えを知る人が見つかるまで候補に残しておきましょう。

生成AIにネタ出しを頼むときも、読者・重なり・自社の情報の3つの基準で選ぶことは変わりません。
ネタ出しを生成AIに頼めば、案を集める手間はかからないのではないでしょうか。
生成AIから出てくる案は、何を材料に渡すかで変わります。
編集部
テーマだけを伝えて案を出させると、AIは公開されている一般的な情報から案を作るため、検索上位の記事と同じ切り口が並びやすくなります。営業が受けた質問やSearch Consoleのクエリを材料として渡せば、ネタ帳の候補を広げる道具として使えます。
まとめ
記事のネタ切れは、書く日にテーマを考え始めるのをやめ、案を集める作業と書く記事を選ぶ作業を分けると防ぎやすくなります。案は検索キーワード、営業や問い合わせで受ける質問、自社サイトのデータの3つから集め、ネタ帳に書きためて週1回の編集会議で選びます。
最初の1週目は、ネタ帳を作って今ある案を5本書き込むだけで十分です。出どころから集める仕組みは、翌週から1つずつ足せば間に合います。案をためる場所がないまま集め始めると、案がメモやチャットに散らばり、編集会議で選べないためです。
ネタ切れがまったく起きない運用はありません。ネタ帳と編集会議があれば、案が出ない週があっても、翌週の会議でネタ帳から選び直せます。
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