BLOG

SEO情報はどこで集めるか|情報源の選び方と自社サイトでの確かめ方

SEO情報を集める量を増やしても、順位が動かないまま月日だけ過ぎることがあります。Googleの発表は対象のサイト種別や機能が限られていて、自社に当てはまらない回のほうが多いためです。公式の発表文を先に開いて対象の条件を書き出し、当てはまるときだけ1箇所を変えて数週間後に確かめる進め方をおすすめしています。

SEO情報を公式の発表、解説記事、要約の3つの階層に分けて縦に並べ、上から順に読んで自社サイトに当てはまるかを判定する流れを矢印でつないだ図。

「SEOの情報は、とにかく多く集めておけば出遅れずに済む」。SEOの担当になって間もない方から、この前提でご相談をいただくことがよくあります。タイムラインにもメールマガジンにもアルゴリズムの更新や新しい検索機能の知らせが毎日のように流れてくるので、見逃した一本で順位を落とすかもしれないと考え、届いたものを片っ端から開いてしまいがちです。ところが半年ほど続けたあと、読んだ記事の数だけが増えて、自社サイトで手を加えた箇所は数えるほどしかない。そうした状態でのご相談が、毎月のように届いています。

しかし、数多くの企業サイトとオウンドメディアで、Googleの発表を読んでから実際にページへ手を入れるところまでを繰り返してきた弊社の立場から言えるのは、順位を動かすのは情報の量ではなく、どの順で読み、自社で何を確かめたかということです。同じ更新の知らせを受け取っても、公式の発表文を先に開いた人と、解説記事だけで済ませた人とでは、翌週に手が動く場所が変わります。

本記事では、SEO情報の信頼度の見分け方から、Google公式と国内外の情報サイトの使い分け、読んだ内容を自社サイトに当てはめる手順までを、日々その作業を回している記事制作会社の立場でお伝えします。

この記事でわかること
  • SEO情報を追っても順位が動かないときに、どの工程が抜けているのか
  • 情報の信頼度を公式・解説・要約の3つの階層で見分ける方法
  • Google公式の情報源4つと、国内外のサイトを選ぶ基準
  • 生成AI検索まわりの情報を、どこまで作業に載せるかの判断
  • 読んだ内容を自社サイトに当てはめ、社内に記録として残す型

SEO情報を追っても順位が動かない理由

情報収集を続けているのに検索順位が変わらない。この状態でご相談をいただくとき、原因は情報の量や質ではなく、読んだあとの工程にあることがほとんどです。原因は大きく3つに分かれます。

1つ目は、発表の宛先が自社ではない場合です。Googleが出す告知には対象が決まっていて、商品データの扱い、ニュース記事の扱い、求人情報の表示といった限られた領域に向けたものが多く含まれます。自社がサービス紹介のサイトと記事を運営しているなら、その回は手を動かす箇所がありません。読んで終わるのが正しい対応です。

2つ目は、速報の段階で書かれているのは「何が起きたか」であって、「何をすべきか」ではないという点です。コアアップデートの告知文を開いても、具体的な作業の指示は書かれていません。案内されているのは、自分のコンテンツを読み直すための問いかけであって、上から順に消していけるチェック項目ではないのです。

3つ目は、読んだ内容が自社サイトのどのページに関係するのかを絞る工程が抜けていることです。「記事全体の質を上げる」という結論まで進んでも、翌朝に開くファイルが決まりません。

3つの原因に共通しているのは、読む時間と当てはめる時間が分かれていない点です。通知が届いたそのつど読むかぎり、読む作業は1日の中に細切れに散らばります。一方で当てはめる作業は、対象ページを絞り、数字を控え、変更を入れるまでで30分から1時間はかかるでしょう。細切れの時間からは生まれない作業なので、先に枠を取っておかないと後回しになり続けます。

💡

情報収集の成果は、読んだ本数では測れません。自社サイトで変更した箇所と、その後に見た数字が残っているかどうかで測ります。読む時間と同じだけ、当てはめる時間を先に確保しておきましょう。

ここが本記事のいちばんの要点です。以降では、その当てはめる工程を成り立たせるために、情報をどう分類し、どこから読むかを整理していきます。

SEO情報の3つの階層と信頼度の違い

SEOの情報は、発信元との距離によって3つの階層に分かれます。同じ出来事を伝えていても、階層が変わると残っている情報の量が変わるため、まずここを見分けられるようにしておくと判断が速くなります。

一次にあたるのは、発信元が自分で出したものです。Google検索セントラルのブログ、公式のドキュメント、検索側の稼働状況を知らせるページ、そしてGoogleの担当者が公式の場で話した内容が含まれます。二次は、その一次を読んで解説したり、自分のサイトで検証したりした記事です。国内外のSEOメディアの多くがここに入ります。三次は、二次をさらに短くまとめた記事やSNSの短い投稿、社内チャットでの伝聞です。

一次(公式の発表)*二次(解説と検証)三次(要約と伝聞)
主な発信元Google検索セントラル、公式ドキュメント国内外のSEOメディア、事業会社のブログまとめ記事、SNSの短文、社内の口頭共有
届く速さ発表と同時数日から数週間後さらにあと
読むのにかかる手間英語や専門的な記述が混じる日本語で背景まで補われている数十秒で読める
落ちやすいものほぼ落ちない検証の条件が省かれることがある対象の条件がほぼ落ちる
向いている使い方判断の根拠にする背景と実務への訳し方を知る発表があった事実を知る
SEO情報の3つの階層を示した図

三次情報の扱いには注意が必要です。とはいえ、問題は内容が間違っていることではありません。階層が下がるときに真っ先に落ちるのは、事実ではなく対象の条件です。Googleの説明はもともと「〜の場合は」「〜を扱うサイトでは」という限定付きで書かれています。短くまとめる過程でその限定が外れ、すべてのサイトに向けた断定文として届く。その結果、自社に関係のない作業に何週間もかけることになります。

解説どうしで見解が割れている場面にも出会います。そのときは、どちらが正しそうかを読み比べて決めるのではなく、両方が参照している元の発表を開いてください。割れる理由の多くは、原文に書かれていない部分をそれぞれが推測で埋めているところにあります。原文に戻れば、確定している範囲と、まだ誰にも分かっていない範囲の境目が見えます。

では、届いた情報がどの階層なのかを、どう見分けるか。判断に使える問いは3つです。元の発表へのリンクが張られているか。発表日と記事の更新日が分かるか。書き手が自分で確かめた範囲と推測を、文中で分けて書いているか。3つとも欠けている記事は、三次情報として扱い、必ず元の発表に戻ってから判断します。

Google公式のSEO情報源4つ

一次情報にあたる公式の窓口は、実務で使うものに限れば4つです。それぞれ役割が違うので、順位が落ちたときと、新しい仕様を知りたいときでは開く場所が変わります。

Google検索セントラル ブログ

仕様の変更、コアアップデートの開始と完了、スパムに関する方針の更新などが告知される場所です(https://developers.google.com/search/blog?hl=ja)。日本語版のページが用意されていて、重要な発表は日本語でも読めます。毎日更新されるものではないため、週に1回まとめて開けば取りこぼしません。

全文を読む必要はありません。目を通すのは冒頭の2段落と、対象を示している箇所だけです。自社が対象に入っていなければそこで閉じ、入っていれば本文に戻って条件を書き出します。1本あたり2分ほどで判定できるため、週1回の30分あれば数週間分の新着をさばけます。

Google検索の基本事項とSEOスターターガイド

ブログが「変わった点」を伝えるのに対し、ドキュメントは「現在の基準」を示します。順位が落ちた理由を探すときは、告知を追う前にこちらで現在の記述を確認するほうが早い場面が多くあります。数年前の解説記事で覚えた作法が、すでに基準から外れているという事態を防げるためです。

Google 公式 SEO スターター ガイド | Google 検索セントラル | Documentation | Google for Developers
検索エンジン最適化に関する、Google 公式の SEO スターター ガイドです。SEO の定義からウェブサイト運用者向けの基本的な施策まで、SEO 関連の基礎を幅広くご紹介します。
🌐 developers.google.com
外部リンク

※ 出典:Google 検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」

ランキングの更新をまとめたページ

コアアップデートやスパムアップデートの名称と、開始日から完了日までが一覧で残されています(https://developers.google.com/search/updates/ranking?hl=ja)。実務でもっとも出番が多いのがここです。

順位の下落についてご相談をいただいたときも、まずはこのページと日付を照らすところから始めます。下落した日が更新の期間と重なっていれば、完了の告知を待ってから判断する。外れていれば、その前後に自社側で行った変更の履歴を見にいく。原因の候補を二手に分けられるだけで、調べる範囲がかなり狭まります。

Google検索のステータスを知らせるページ

クロール、インデックス登録、検索結果の表示に障害が出ていないかを確認できます(https://status.search.google.com/summary)。インデックスされない、順位が急に消えたという場面で、自社の問題かGoogle側の一時的な不具合かを最初に切り分けられます。ここを見ないままサイトの設定を触ると、障害が復旧したときに何が効いたのか分からなくなります。

  • 順位やインデックスに異変を感じたら、まず検索のステータスを確認する
  • 次にランキングの更新一覧を開き、動いた日付と重なっていないか照らす
  • 週に1回、検索セントラル ブログの新着をまとめて読む
  • 判断に迷ったときだけ、公式ドキュメントで現在の基準を確かめる

上から順に、緊急度の高いものから並べています。平常時に開くのは3番目だけで足ります。

国内のSEO情報サイトの選び方

公式の発表は、そのままでは実務に訳しにくい書き方になっています。そこを補うのが国内のSEOメディアです。ただし数が多いため、選ぶ基準を決めずに登録すると、同じ発表を3回読むだけの時間が生まれます。

Web担当者Web担当者

情報源は多く登録しておいたほうが、見落としが減るのではないでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

見落としを減らす方向としては正しい考え方です。ただ、国内のSEOメディアは元をたどると同じ公式発表を扱っていることが多く、5本登録しても新しく分かる内容は2本目までで頭打ちになりがちです。むしろ通知の量が増えて開かない日が続き、肝心の回を見逃すほうが起こりやすいと感じています。まず1本に絞り、そこで扱われない話題が出てきたときに2本目を足す順番をおすすめします。

選ぶときに見る基準は3つあります。

元の発表へのリンクが張られているか

解説の中で、どの発表を扱っているのかが分かる形でリンクされているかを見ます。リンクがあれば、気になった回だけ原文に戻れます。逆にリンクがない記事だけを読み続けると、条件を確かめる手段が常に一段遠くなります。

発表日と記事の更新日が分かるか

SEOの情報は、同じ話題でも半年で扱いが変わることがあります。記事の更新日しか書かれていない場合、本文のどこが新しくてどこが数年前のままなのかを判別できません。発表日と更新日の両方が読み取れる媒体を選びます。

確かめた範囲と推測が分かれているか

自社サイトで試した結果なのか、発表文からの推測なのかを書き分けている記事は、読んだあとに自社で何を検証すべきかまで決まります。この書き分けがある媒体は、長く読む価値があると見ています。

メールマガジンやSNSの投稿も、同じ基準で扱います。どちらも届く速さが利点であって、内容を判断する材料としては薄いままです。見出しを見て自社に関係しそうなものだけ開き、そこから元の発表へ進むための入口として使うと、流れてくる量に振り回されずに済むでしょう。

国内で長く続いているものとしては、海外の発表を日本語で追える海外SEO情報ブログhttps://www.suzukikenichi.com/blog/)や、企業のWeb担当者向けに周辺分野まで扱うWeb担当者Forumが挙げられます。どちらも元の発表への言及があり、扱う範囲が違うため、役割で使い分けやすい組み合わせです。

海外のSEO情報を追う価値と手間

英語圏の情報を直接読むべきかどうかは、よく受ける質問です。結論から言えば、読む時間を週にどれだけ確保できるかで決まります。

英語のSEO情報を直接読む利点
  • 日本語に訳される前の段階で発表を確認できる
  • Googleの担当者が話した内容を、要約を挟まずに読める
  • 解釈が割れている段階の議論を、結論が固まる前に見られる
読む前に見込んでおく手間
  • 検索結果の仕様や表示が、国によって異なる場合がある
  • 発信量が多く、読むものを選ぶ時間が別に必要になる
  • 訳す過程で、対象を限定する条件が落ちやすい

ここで、この仕事を続けてきた立場から本音を言えば、英語を読めないことが不利に働く場面は多くありません。重要な発表は日本語の解説が数日以内に出ますし、その数日が順位を左右する場面は、通常の企業サイトの運用ではほとんど起きないためです。

それでも読む時間を取れるなら、媒体は役割で選びます。発表の速さなら Search Engine Roundtablehttps://www.seroundtable.com/)、整理された解説なら Search Engine Land、検証の過程まで読みたいなら Moz Bloghttps://moz.com/blog)というように、同じ英語圏でも扱い方が違います。3つとも登録する必要はなく、自分が足りないと感じている種類を1つ足すのが現実的でしょう。

時間の目安も決めておきます。日本語の解説だけで進めるなら週に30分、英語まで広げるなら週に1時間から1時間半といったところです。この枠を確保しないまま登録だけ増やすと、開かない通知が溜まっていき、結局どちらも中途半端に終わります。

調べる時間は取れても、書く時間まで残っていませんか

情報収集に週数時間を使えても、そこから記事を形にする時間が確保できないというご相談は少なくありません。構成の設計から執筆、公開前の確認までを引き受け、担当者の時間を判断と改善に回せる状態にします。

生成AI検索まわりのSEO情報の読み方

ここ数年でもっとも発信量が増え、同時にもっとも要約と伝聞の割合が高くなっているのが、生成AIの回答に載るための最適化をめぐる領域です。検索結果でのAIによる要約の表示、対話形式での検索、そしてGEOやLLMO、AEOといった略語が、短い期間に次々と登場しました。

扱いが難しいのは、公式の発表より先に解説と造語が広がる点にあります。検証の手順が示されないまま「こう書けば引用されやすい」という主張が流通し、それをさらに短くまとめたものが社内の会議に持ち込まれる。前章までの見分け方が、この領域でこそ効いてきます。

実務で最初に確かめることは1つだけです。その呼び名を、Googleが公式の文書で使っているかどうか。公式が使っていない造語であれば、その時点では解説の中だけで流通している概念であり、社内の作業計画に載せる段階ではありません。

AI 機能とウェブサイト | Google 検索セントラル | Documentation | Google for Developers
Google 検索の AI 機能により、ユーザーがウェブサイトを見つけやすくなります。検索での AI 機能の仕組みと、コンテンツを AI エクスペリエンスに反映させる方法について説明します。
🌐 developers.google.com
外部リンク

※ 出典:Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」

Googleは検索のAI機能について、サイト側で何ができるのかをまとめた案内を公開しています。そこで示されているのは、AI向けの作業を新しく足すという話ではなく、検索に対する基本的な整備がそのまま前提として使われるという説明です。ページを読み取れる状態にすること、構造化データの記述、クローラーの制御といった項目が中心に並びます。

では、手を動かす価値があるのはどこまでか。公式の案内に記述がある範囲までです。一方で「AIに引用されやすい文章の型」のように、どう確かめたのかが公開されていない主張は、自社で試して結果を見る候補であって、前提として社内に共有するものではないと見ています。

新しい略語が流れてきたときの確認は2段階で済みます。1つ目は、Googleの公式文書でその語が使われているか。2つ目は、使われている場合に、自社のサイト種別が対象に含まれているか。どちらかが外れていれば、その回は記録だけ残して次へ進みます。

社内から「生成AI向けの対策はやらないのか」と聞かれる場面も増えているはずです。そのときに返せる材料を先に用意しておくと、話が早く進みます。公式の案内にある項目のうち自社が済ませているもの、まだ手をつけていないもの、公式に記載がないため自社で試す扱いにしているもの。この3つに仕分けた一覧があれば、やっていないのではなく確かめてから進めているという説明ができます。

この領域は、今後も発信量が増えていくでしょう。増えるほど、階層を見分けて公式に戻るという手順そのものの効き目が大きくなるはずです。

SEO情報を自社に当てはめる5手順

ここまでの整理を、実際の手順に落とし込みます。1本の発表を読んでから確認を終えるまで、通しで5つの段階に分けます。

1
STEP
元の発表を開いて対象の条件を書き出す

解説記事から知った場合も、必ず元の発表に戻ります。書き出すのは3点だけです。どんなサイトが対象か、どの機能や項目の話か、いつから適用されるか。この3点が書けない発表は、自社への影響も判定できません。

2
STEP
自社サイトが条件に当てはまるかを判定する

書き出した3点を自社の状態と照らし、当てはまるかどうかだけを決めます。当てはまらなければ、日付と発表のURLを記録して終わりです。判断に迷う場合は「当てはまらない」に寄せ、次に同じ話題が出たときに再判定します。

3
STEP
影響を受けそうなページを絞る

当てはまると判定したら、Search Consoleの検索パフォーマンスで対象になりそうなページを抽出し、現在の表示回数とクリック数を控えます。サイト全体の合計ではなく、対象のページだけを控えるのが大事なところです。

4
STEP
変更する箇所を1つに限る

同じ週に複数のページや複数の要素を変えると、あとから何が効いたのかを判別できなくなります。タイトルを直すなら今週はタイトルだけ、内部リンクを足すなら今週はそれだけに絞ります。

5
STEP
確認する日を先に決めて記録する

変更した日と、結果を見る日を同時に書き留めます。検索結果への反映には時間がかかるため、翌日に数字を見ても判断材料にはなりません。数週間先の日付を決めておき、その日に手順3で控えた画面をもう一度開きます。

SEO情報を自社に当てはめる5手順の流れ図

この手順で進めると、2段階目で「当てはまらない」と判定して終える回のほうが多くなります。見落としのように感じるかもしれませんが、むしろ狙いどおりです。関係のない作業に時間を使わずに済み、当てはまった回に集中して手を動かせます。

読んだSEO情報を社内で残す記録の型

情報源を紹介する記事では、ほとんど触れられない部分があります。読んだ内容をどう残すか、という話です。

多くの現場で、SEOの情報は担当者1人の頭の中にしか残っていません。その状態で困るのは、半年後に同じ発表をもう一度調べ直すことと、順位が動いた日に「あのとき何を変えたか」を誰も思い出せないことです。異動や退職があれば、それまでの判断の履歴はまとめて消えます。

経営者経営者

担当が私1人なので、記録を作る手間のほうが大きくなってしまう気がします。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

要約を書こうとすると、たしかに3回ほどで続かなくなります。おすすめしているのは、1行だけ残す形です。日付と発表のURL、当てはまるかどうかの記号、対象ページ、変えたこと、確認する日。これだけなら1分で書き終わります。1人体制でも、半年後の自分に引き継ぐ相手がいると考えると意味が変わってきます。

記録に残す項目は次の6つで足ります。日付/元の発表のURL/自社に当てはまるか(○か×)/対象にしたページのURL/変えたこと/結果を確認する日。当てはまらなかった回も×として1行残すのが要点で、同じ話題が再び流れてきたときに調べ直さずに済みます。

この1行が効いてくるのは、順位が大きく動いた日です。過去半年の記録を日付順に見れば、その期間に自社で変えた箇所が数行で並びます。原因の候補をその中から探すのと、何も残っていない状態で調べ直すのとでは、必要な作業量がまるで違います。

SEO情報を1行で記録する型の図

記録が溜まってくると、別の使い方もできるようになります。当てはまると判定した回と、実際に数字が動いた回を並べてみると、自社のサイトがどの種類の更新に反応しやすいのかが見えてきます。判定の精度が上がれば、読む本数をさらに減らせるはずです。

置き場所は、共有のスプレッドシート1枚で構いません。凝った仕組みを作るほど更新が止まりやすく、担当が変わったときに引き継げる形であることのほうが重要だと見ています。

SEOの判断が、担当者1人に集まったままになっていませんか

情報の読み方と記録の型が個人に閉じていると、担当が変わるたびに同じ調べ直しが発生します。判断の基準づくりから社内での共有の仕方まで、自社で回せる状態になるまで伴走します。

SEO情報の集め方でやりがちな失敗

ここまでの手順を踏まえたうえで、実際の現場で起きやすいつまずき方を挙げておきます。どれも一度は見たことのあるものばかりでしょう。

  • 速報が出たその日に、本文の書き換えを始める
  • 通知を10件以上登録し、届いたものをすべて開こうとする
  • 「Googleが〜と言った」の一文だけを社内に共有する
  • 順位が落ちた日に更新を探し、関係のない施策を当てはめる
  • 英語の記事を機械翻訳したまま、社内の資料として配る
  • 公式が否定した項目を、古い解説記事の記述のまま対策し続ける

上から2つは、原因が同じです。速報に反応する形で動くため、判断の材料が揃う前に手が先に出ます。コアアップデートの期間中に本文を書き換えると、順位の上下が更新によるものか書き換えによるものかを、あとから区別できなくなります。ここで失うのは作業時間だけではありません。次に同じことが起きたときの判断材料も、一緒に消えます。

3つ目の共有の仕方も、現場でよく見かけます。「Googleが〜と言った」という一文だけを受け取った側は、発言の前後を知らないため自社に当てはまるかを判定できず、そのまま作業として下ろすことになります。共有するときは、発表のURLと、自社が対象に入るかどうかの判定を必ず添えてください。1行増えるだけで、受け取った側が自分で確かめられる形になります。

最後の項目は、とりわけ根強く残ります。SEOの解説記事は更新日が新しくても、本文の一部が数年前の記述のまま置かれていることがあり、読み手側からは判別できません。

「効果がある」と書かれている施策を見つけたら、実行する前に公式ドキュメントの現在の記述を確認してください。数年前に有効だった手法が、現在は評価に関係しないものとして扱われている例があります。確認に数分かけるだけで、無駄になる作業を何週間分か減らせます。

機械翻訳の扱いにも一言添えておきます。英語から日本語へ訳すとき、いちばん落ちやすいのは「in some cases」のような限定を表す語句です。訳文だけを読むと断定に見えるため、社内で共有する前に原文の該当箇所を目で確かめておくと安全でしょう。

SEO情報についてよくある質問

最後に、情報収集の進め方についてよくいただく質問をまとめます。

SEO情報はどのくらいの頻度で確認すべきですか

週に1回で足ります。毎日確認しても、企業サイトの運用で当日中の対応が必要になる発表はほとんどありません。曜日と時間を決めて30分ほど確保し、その枠で公式の新着と解説を1本ずつ読むほうが、通知が来るたびに中断するより続きます。

情報源はいくつ登録すればよいですか

3つで足ります。公式の窓口を1つ、日本語の解説を1つか2つという構成です。国内のSEOメディアは元をたどると同じ発表を扱っていることが多く、数を増やしても新しく分かる内容は頭打ちになります。足りないと感じたときに初めて追加してください。

英語のSEO情報を読めないと不利になりますか

不利にはなりません。重要な発表は数日以内に日本語の解説が出ますし、その数日の差が順位を左右する場面は通常の運用では起きにくいためです。英語を読む時間があるなら、その時間を自社サイトの検証に使うほうが成果に近づきます。

コアアップデートの告知が出たら、何をすればよいですか

その日は何も変えません。順位の変動は完了までの数週間で上下するため、途中の動きを見て手を入れると判断を誤ります。告知の日付を控え、完了の告知が出てから自社の順位と流入を確認し、そこで初めて対応を決めます。

SEO情報をまとめたニュースレターは役に立ちますか

役に立ちます。発表があった事実を取りこぼさない用途には向いています。ただし本文の要約だけで判断せず、自社に関係しそうな回はリンクから元の発表へ進み、対象の条件を確かめてください。

まとめ|SEO情報は量より読む順番と当てはめ

SEO情報は、届く量を増やしても順位には結びつきません。成果として残るのは読んだ本数ではなく、自社サイトで変更した箇所と確認した記録です

本記事でお伝えした流れを、もう一度整理します。情報を公式・解説・要約の3つの階層で見分け、判断の根拠には必ず公式の発表を使う。週に1回、決まった順番で公式の窓口を開く。国内外の解説は数を絞り、元の発表へのリンクと日付の書き方で選ぶ。読んだあとは対象の条件を書き出して自社に当てはまるかを判定し、当てはまった回だけ1箇所を変えて、数週間後に確認する。そして当てはまらなかった回も含めて、1行の記録を残す。

情報を集める作業と、順位を動かす作業は別々の時間です。両方に時間を割けず、集めるところで止まってしまうという声も多くいただきます。その場合は、読む本数を減らしてでも当てはめる工程を残すほうが、結果として動く箇所が増えるはずです。

集めたSEO情報を、次に開くファイルまで落とし込めていますか

どの情報が自社に効くのか、どこから手をつけるべきか。現状のサイトと狙っているキーワードを伺ったうえで、次の一手を一緒に整理します。まずは状況をお聞かせください。

私たち合同会社Writers-hubは、企業サイトやオウンドメディアの記事制作と改善を数多く手がけてきました。検索への対応から生成AIの回答に載るための調整まで、情報を追う工程と自社サイトに当てはめる工程の両方をご一緒できます。情報収集が読むだけで止まっていると感じている方は、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

読んで終わりにしないために

記事の内容を自社に当てはめるとどうなるか、オンライン30分で一緒に整理します。費用はかかりません。

無料で相談する