「SEOに強いブログサービスを先に決めてから始めたい」。自社でブログを立ち上げる担当になった方から、この言い方をよく聞きます。ブログサービスの多くが機能欄に「SEO機能を標準搭載」「検索に強い構造」と書いているため、どこで書くかが成果の最初の分岐点に見えやすくなっています。開設前のご相談でいちばん多いのも、サービス名を並べてどれを選ぶべきかという質問でした。
しかし、検索からの集客を目的にした記事を数多く作ってきた弊社の立場から言えるのは、サービスの機能差で順位が動くのは最初の数か月だけだということ。半年、1年と続いたブログを見比べると、差がついている原因はドメインを自分で持っているかどうかと、記事を足し続けられたかどうかの2点に寄っています。
本記事では、ブログサービスの差が出る4つの条件と主要サービスの比較から、無料ブログで上位を取ったときに何が手元に残らないのか、途中で乗り換えても順位が動かない理由まで、記事を作る側の視点でお伝えします。
- 「SEOに強いブログ」という言葉が同時に指している2つの意味
- ブログサービスの差が出る4つの条件と、主要サービスの比較
- 無料ブログでも上位は取れるのに、手元に残らないもの
- 途中でサービスを乗り換えても順位が動かない理由
- 開設から順位がつくまでの見通しと、手が止まりやすい地点
SEOに強いブログが指している2つの意味
「SEOに強いブログ」という言葉は、別々のものを同時に指しています。ひとつはブログを置く場所、つまりWordPressやnoteといったサービスの選択。もうひとつは記事そのものの作り方です。検索して比較記事を読んでいる時点で知りたいのはたいてい前者ですが、順位に効いている比重は後者のほうが大きいと見ています。
というのも、検索エンジンが順位を付ける単位はサイト全体ではなく1ページだからです。どのサービスで書いていても、評価されるのはそのページに書かれた内容と、検索した人の疑問にどこまで答えているか。サービス側が用意できるのは、その評価を邪魔しない土台までにとどまります。
サービスが担うのは土台までブログサービスが順位に関われるのは、ページが検索エンジンに読み取られやすいか、表示が速いか、URLやタイトルを自由に設定できるかという土台の部分です。土台の条件が同じなら、そこから先は記事の中身で差がつきます。
では土台に差はないのかというと、あります。ただしその差は「強い・弱い」の2択ではなく、あとから取り返せる差と、あとからでは取り返しにくい差に分かれます。表示速度や説明文の設定は改善できる余地が残りますが、ドメインを自分で持っていない状態だけは、あとで移そうとすると積み上げの一部を手放すことになる。この線引きを持って比較表を読むと、選ぶ順番が変わってきます。
Googleは公開している資料の中で、検索エンジン向けに作られたページではなく、人のために作られたページを評価する方針を繰り返し示しています。サービスの機能欄で差がつく話ではないと読み取れる部分です。

※ 出典:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」
ブログサービスの差が出る4つの条件
サービスを比べるときに見る点は、大きく4つに絞れます。機能一覧を端から見比べても判断がつかないのは、順位に効く条件と、使い勝手の話が同じ列に並んでいるからです。
- ドメインが自分のものかどうか
- 記事URL、タイトル、説明文を自由に設定できるか
- 運営側の広告が入らず、表示が速いか
- サービスの継続と規約変更のリスクをどう見るか
この4つは同じ重さではありません。1つ目だけが、あとから取り返しにくい条件になります。
ドメインが自分のものかどうか
無料ブログは、記事を書けば書くほどそのサービスのドメインに評価が積み上がります。書いたのは自分でも、積み上がった先は自分の住所ではない。あとで独自ドメインに引っ越そうとしたとき、集まっていた被リンクも、検索エンジンがそのURLに対して持っていた評価も、そのままの形では移せません。
独自ドメインを取って自社のサーバーで運用していれば、途中でデザインを変えても、CMSを入れ替えても住所は変わりません。3年書き続けたときに、その3年分がどこに残るか。ここが最初の分岐になります。
記事URL、タイトル、説明文の設定
検索結果に並んだときにクリックされるかどうかは、記事タイトル(titleタグ)と、その下に出る説明文(メタディスクリプション)で決まります。この2つを記事ごとに自由に書けるかどうかは、サービスによって差があります。
記事URLについても、自分で文字列を決められるサービスと、投稿順の連番が自動で振られるサービスがあります。URLの文字列そのものが順位を大きく動かすわけではありませんが、検索結果やSNSでURLを見たときに何の記事か伝わらない分だけ、選ばれにくくなる。
運営側の広告と表示速度
無料プランのブログサービスでは、運営側の広告が本文の上下や途中に差し込まれます。読み込む要素が増えれば表示は遅くなり、読みに来た人が本文へたどり着くまでの手数も増えます。Googleはページの表示速度や操作性に関する指標を公開しており、ページの体験も順位を決める要素のひとつとして扱われているのです。

※ 出典:Google 検索セントラル「Google 検索でのページ エクスペリエンスの考え方」
有料プランに切り替えれば広告を消せるサービスもあります。無料で始めるか有料で始めるかは、この広告の扱いと独自ドメインの可否で判断すると迷いにくくなります。
サービスの継続と規約変更
記事は積み上がるほど価値が出ますが、置き場所が無くなれば書きためた分がまとめて失われます。過去には利用者の多かったブログサービスが終了し、記事の移転を迫られた例が実際にありました。商用利用や外部リンクの扱いが規約変更で変わることもあります。5年後も同じ条件で使える保証があるかどうかは、どのサービスの機能欄にも書かれていません。

主なブログサービスをSEOの観点で比較
4つの条件を主要サービスに当てはめると、次のように並びます。機能の多さではなく、上の条件に絞って見た比較です。
| WordPress | note | はてなブログPro | Amebaブログ | |
|---|---|---|---|---|
| ドメインが自分のものか | ◎ | △ | ○ | × |
| 記事URLとタイトルの設定 | ◎ | △ | ○ | × |
| 運営側の広告 | なし | なし | なし | あり |
| サービス内から読まれる仕組み | × | ◎ | ○ | ◎ |
| 始めるまでの手間 | △ | ◎ | ○ | ◎ |
| 5年後も同じ条件で使えるか | ◎ | ○ | ○ | ○ |
※ noteは法人向けの有料プランで独自ドメインを設定できます。はてなブログとAmebaブログは、無料プランと有料プランで広告の扱いが変わります。各社の提供条件は変更される場合があるため、契約前に公式の案内をご確認ください。
表を縦に見ると、傾向がはっきりします。WordPressは土台の自由度が高い代わりに、立ち上げの手間を自分で負う。noteやAmebaブログはその逆で、始めるのは早く、サービス内の読者に届きやすい反面、積み上がるものが自分の場所に残りません。
とりわけ見落とされがちなのが、4行目の「サービス内から読まれる仕組み」です。noteやAmebaブログには、検索エンジンを経由せずにサービス内の読者から読まれる流れがあります。検索順位だけを見て弱いと判断すると、この流入がまるごと抜け落ちます。検索からの集客を主軸にするならWordPress、まず読まれる経験を早く得たいなら他のサービス、という分け方のほうが実態に近いはずです。
WordPressを選ぶ利点と先に必要になる手間
比較の結果としてWordPressを挙げる記事は多いのですが、手間の側を書いていないものも見かけます。両方を並べておきます。
- 独自ドメインで運用でき、積み上げた評価が自分のものとして残る
- 記事URL、タイトル、説明文、見出し構造をすべて自分で決められる
- アクセス解析やSearch Consoleを制限なく導入できる
- 会社のサイトと同じドメインの下に置けば、サイト全体の評価が1か所にまとまる
- サーバー契約とドメイン取得、初期設定に半日から数日かかる
- テーマとプラグインの更新、バックアップを自分で続ける必要がある
- 表示速度は設定次第で悪化するため、画像の扱いなどに手当てがいる
- 開設直後は検索エンジンからの流入がほぼゼロで、読まれる実感を得るまでが長い
4つ目の手間が、実務でいちばん効いてきます。noteやAmebaブログなら初日から誰かに読まれますが、独自ドメインのWordPressは、最初の数か月は書いても反応が返ってきません。ここで手が止まるケースを何度も見てきました。
対策は単純で、最初の数か月の目標を順位やアクセス数ではなく、公開本数に置くこと。数字で返ってこない期間を、あらかじめ計画に織り込んでおく話です。
無料ブログでも上位は取れるが残らないもの
ここで、比較記事があまり書かない部分に触れます。無料ブログはSEOに弱い、という言い切りは正確ではありません。実際、Amebaブログやはてなブログの記事が検索上位に並んでいる場面は今も見かけます。サービス自体のドメインに評価が積み上がっているため、開設直後でも一定の検索流入が出ることすらあります。

問題はそこではなく、その先です。無料ブログで取った順位は、自分の資産として残らないという点にあります。
検索から人が来ているなら、それで十分ではないでしょうか。無料で始められて順位も取れているなら、わざわざ独自ドメインに移す理由が社内で説明しづらいのですが。
編集部
流入が出ているうちは、その判断で問題ありません。区切りは、そのブログを事業の資産として扱うかどうかです。無料ブログのURLは自社の所有物ではないため、サービス終了や規約変更が起きたときに打つ手がありません。あとで独自ドメインへ移す場合も、記事のファイルは運べますが、そのURLに積み上がった評価は運べず、順位は一度ゼロから作り直しになります。商品やサービスの購入につなげたいのであれば、記事が10本を超えるあたりまでに独自ドメインへ移しておくほうが、あとの負担が軽く済みます。
もう少し踏み込むと、無料ブログで上位に来た記事の順位は、自分の記事の力とサービス側のドメインの力が混ざった結果です。どちらが効いているかは切り分けられません。そのまま独自ドメインへ移して順位が落ちたとき、記事の質が原因なのかドメインの評価が失われたせいなのかを判断する材料がなくなる。検証のやりにくさという意味でも、あとになるほど不利になります。
どのキーワードで書けば自社に問い合わせが来るのか、決めきれていない段階でしょうか
置き場所が決まっても、何について書くかが決まらなければ本数は増えません。弊社では、事業の売上につながるキーワードから順に並べ、記事1本ずつに狙うキーワードと役割を割り当てるところから設計しています。扱っている商材と今の集客経路をお聞かせいただければ、最初に取りにいくキーワードの案をお出しできます。
途中でサービスを乗り換えても順位が動かない理由
「無料ブログで伸びなかったのでWordPressに移した」というご相談は定期的にいただきます。ただ、移したあとに順位が上がった例は多くありません。理由は3つあります。
ひとつ目は、記事の中身が同じままだからです。置き場所を変えても、書かれている内容と、検索した人の疑問への答え方は変わりません。順位が付かなかった理由が中身にあるなら、引っ越しでは解決しません。
ふたつ目が、引っ越しで運べるのは記事だけで、ドメインの評価は運べないという点です。新しいドメインは、検索エンジンから見れば初めて見るサイトです。前のURLで取っていた順位は引き継がれず、再び評価されるまでの期間が必要になります。
みっつ目は、移行作業そのもので失うものがある点です。内部リンクの張り直し、画像の再アップロード、カテゴリ構造の組み直し。この作業中に記事の更新が止まり、結果として公開本数が落ちる。順位が動かない理由の中では、これがいちばん見落とされます。
引っ越すなら早いほうが損失は小さい移行の負担は記事本数にほぼ比例します。10本の移行は1日で終わりますが、200本になると、内部リンクとリダイレクトの設計だけで数週間かかります。無料ブログで様子を見るなら、独自ドメインへ移す判断をどの本数で下すかを、始める時点で決めておいてください。
引っ越しが無意味だと言いたいわけではありません。ドメインを自分のものにする目的なら、早いうちに動く価値は十分にあります。ただ、順位を上げる目的で引っ越すのは順番が逆だということ。
SEOに強いブログ記事にする5つの工程
置き場所が決まったあと、記事側でやることは工程として整理できます。サービスの選択と違って、こちらは何度でもやり直しが効きます。
記事を書く前に、その記事で狙う言葉を1つに決めます。自社が言いたい言い回しではなく、読者が検索窓に打ち込む言い回しを選んでください。言葉が決まらないまま書き始めた記事は、誰の疑問にも正面から当たりません。
決めた言葉で実際に検索し、上位に出てくるページを5本ほど読みます。目的は真似ることではなく、読者がその言葉で何を知りたがっているかを確かめること。5本とも触れている項目は、書かないと物足りなさが残る項目です。
上位のページに無い情報を1つだけ用意します。自社の作業手順、よく受ける質問、実際に困った場面。数字の裏付けがなくても、経験に基づく判断の理由は他社が書き写せません。ここが無い記事は、順位が付いても読み終えた人の記憶に残りません。
書きたい順ではなく、読者が次に知りたくなる順に見出しを並べます。定義、分解、判断、手順、注意点という流れが基本の形です。見出しだけを上から読んで話が通れば、本文も通ります。
記事タイトルの前半に狙う言葉を入れ、説明文には記事を読むと何が分かるかを書きます。ここは公開後でも直せるため、順位が付かないときに最初に見直す場所でもあります。
工程ごとの具体的な書き方は、SEOに強いブログの書き方を工程順にまとめた記事で詳しく扱っています。
開設から順位がつくまでの見通しと手が止まる地点
最後に、時間の見通しを共有します。ここを知らずに始めると、効果が出る前にやめる判断をしてしまいます。

新しいドメインで始めたブログの場合、検索からの訪問が目に見えて増え始めるのは、おおむね4か月目以降というのが弊社の実感です。最初の3か月は、記事が検索エンジンに登録され、評価が定まるまでの期間にあたります。既存の会社サイトと同じドメインの下にブログを置いた場合は、この期間が短くなる傾向があります。
※ 期間は取り扱うテーマの競合の多さ、公開本数、既存サイトの規模で変わります。上記は弊社が支援した案件の傾向で、すべてに当てはまる数値ではありません。
手が止まるのは、ほぼ決まって2か月目から3か月目です。書いても順位が付かず、アクセス解析を開いても数字が動かない時期。ここで更新が月1本に落ち、半年後には止まっている。その状態から再開したブログを立て直す作業は、新しく始めるより手間がかかります。
横ばいの期間を計画に書いておく開設前に「最初の3か月は数字が動かない」と関係者に共有しておくだけで、続く確率は変わります。この期間に見る数字は順位やアクセス数ではなく、公開本数と、狙った言葉のうち記事を用意できた割合に置いてください。
成果を分けるのは開設時の選択ではなく、そのあとに足した本数だという言い方は、実務では繰り返し確認できます。同じサービス、同じ担当者数で始めた2社で差がつくとき、原因はたいてい月あたりの公開本数と、更新が止まった月数の違いに帰着します。
書く時間が取れず、公開本数が月1本を下回っている状況でしょうか
横ばいの3か月を越えるまでは、本数を落とさないことが優先されます。弊社では、社内で書く記事と外に出す記事を分けたうえで、調査と構成から原稿までをお引き受けしています。今の公開本数と、社内で書ける方の人数をお聞かせください。
SEOに強いブログについてよくある質問
開設前のご相談でいただくことの多い質問を、5つまとめました。
表示されます。サービス側のドメインに評価が積み上がっているため、開設直後でも検索から人が来る場合があります。ただし、その順位はサービスのドメインの力と混ざった結果で、あとから独自ドメインへ移す際には引き継げません。事業の集客として続けるなら、早い段階で独自ドメインへ移す前提で始めてください。
会社サイトと同じドメインの下、たとえば末尾にblogを付けたディレクトリに置くほうが有利な場面が多いと見ています。記事が増えるほどサイト全体の評価が1か所に集まり、サービスページも一緒に引き上げられるためです。別ドメインで作る判断が向くのは、会社サイトと扱うテーマがまったく重ならない場合でしょう。
決まった目安はありません。同じ言葉で上位に出ているページを5本読み、読者の疑問が尽きる量に合わせるのが実務的な決め方です。文字数を増やすために説明を重ねた記事は、読み終えるまでの時間が延びるだけで順位には結び付きません。
できます。ただし記事のファイルは運べても、そのURLに積み上がった検索エンジンの評価は運べません。本数が少ないうちほど作業は軽く済むため、移す予定があるなら早めに決めてください。移行時は、旧URLから新URLへの転送設定を必ず行います。
本数だけでは決まりません。1つのテーマについて、読者が知りたい範囲を一通り埋めた時点から動き始めます。目安を挙げるなら、狙うテーマの主要な疑問を10本前後で埋め、そのうえで更新を続ける形です。1本ずつ別のテーマに散らすと、本数を重ねても評価が集まりません。
まとめ|選ぶのは強いサービスより積み上がる場所
SEOに強いブログを探すとき、比較すべきはサービスの機能欄ではありません。選ぶべきは強いサービスではなく、積み上げが自分に残る場所です。
記事URLやタイトルの設定、広告の有無は、あとから有料プランやサービス変更で手当てできます。取り返しにくいのはドメインの一点だけ。そして順位を実際に動かすのは、置き場所を決めたあとに何本書き、何か月続けられたかのほうです。
私たち合同会社Writers-hubは、検索からの集客を目的にしたブログの立ち上げと運用を、キーワードの設計から記事制作まで一貫してお手伝いしています。サービス選びで迷っている段階でも、事業の内容と社内で書ける人数を伺えば、独自ドメインで始めるべきか、まず読まれる経験を優先するかの判断材料はお出しできます。
自社の場合はどこで始めるのが妥当か、一度整理してみませんか
扱っている商材、今の集客経路、社内で書ける方の人数をお聞かせいただければ、置き場所の案と、最初の3か月で出す本数の目安をあわせてお伝えします。まだ始めるかどうかを決めていない段階のご相談でも構いません。相談の時点で費用は発生しません。








