「対応が遅いので、今月で契約を終えると伝えてから次の会社を探そう」。複合機や電話の保守のように、前の契約を終えてから次の会社に頼む乗り換えに慣れていると、ホームページも同じ順番で進めたくなります。ところが、ドメイン・サーバー・管理画面が前の管理会社の名義のまま解約すると、サイトとメールが同じ日に止まることがあります。先に3つの名義を確かめ、解約の連絡は移し終えた後に回します。
本記事では、名義の確かめ方から、前の会社への依頼の文例、移す順番、移した後の確認まで、お店のサイトを作る制作会社の視点でお伝えします。
- 解約の連絡は、新しいサーバーへの切り替えとドメインの移管を済ませた後に出します
- ドメインの名義と有効期限はWhoisで調べ、サーバーの契約者と管理画面のログイン情報は前の会社に文面で尋ねます
- 新しいサーバーで表示とメールを確かめてからドメインを切り替え、最後に解約する順に進めると、サイトとメールを止めずに移せます
- 移した後は、全ページの表示、問い合わせフォーム、メールの送受信、Search Consoleの登録が前と同じように動くかを確かめ、動かないものを直します
管理会社の変更で解約の連絡を最後に回す理由
管理会社の変更で解約の連絡を最後に回すのは、前の会社がドメインやサーバーを管理したまま契約が終わると、サイトとメールの両方が止まることがあるからです。管理会社を変えると決めた経営者が先にしてしまいがちなことは、次の3つです。
- 次の会社が決まる前に、今の会社へ解約の連絡を出す
- ドメインの名義を確かめないまま、次の会社と契約する
- メールをどこで受けているかを確かめないまま、ドメインの向き先を切り替える
ホームページとメールは、どちらもドメインとサーバーを使って動いています。ドメインは「〇〇〇.co.jp」のような、サイトとメールアドレスの住所にあたる文字列で、サーバーはサイトのデータやメールを置く場所です。前の会社が借りているサーバーにサイトとメールが置かれていれば、解約でサーバーの契約が終わった日から、サイトは表示されず、メールも届かなくなります。
解約の連絡は、新しいサーバーで動くのを確かめた後に出します。契約書に解約の予告期間が書かれているときは、移し終える予定の日から逆算して連絡します。
前の会社にとって、契約が終わった後の作業は契約外の作業です。名義の変更やデータの受け渡しは、契約が続いているうちに頼むほうが、前の会社も対応の時間を取りやすくなります。
管理会社を変える前に名義を確かめる3つの項目
管理会社を変える前に確かめる項目は3つで、どれも自社の名義で手元にあれば、前の会社からデータを受け取るだけで新しい会社に移せます。1つでも前の会社の名義なら、移す前に名義を自社に変える手続きが加わります。

ドメインの登録者
ドメインの登録者と有効期限は、Whois(ドメインの登録者などを誰でも調べられる仕組み)で、前の会社に尋ねずに調べられます。
「〇〇〇.co.jp」や「〇〇〇.jp」なら、日本のドメインを管理する日本レジストリサービスのJPRS WHOISを開きます。「.com」「.net」などで終わるドメインなら、ICANN Lookupを開きます。
JPRS WHOISでは、検索タイプに「ドメイン名情報」を選び、「https://」と「www.」を除いたドメインを入れて検索します。
「〇〇〇.co.jp」は「組織名」の欄が名義で、「状態」の欄の括弧の中の日付が有効期限です。「〇〇〇.jp」は「登録者名」と「有効期限」の欄を見ます。
(参考:JPRS WHOIS(日本レジストリサービス)、ICANN Lookup(ICANN))
「.co.jp」は、日本国内で登記している会社が原則1社に1つ登録できるドメインなので、組織名の欄には自社の名前が出ます。ただし、組織名が自社でも、ドメインの設定を変える画面に入れるのは前の会社だけ、ということがあります。「〇〇〇.jp」や「.com」などは、登録者を表示しない設定にしているとWhoisでは名義が分からないため、前の会社に尋ねます。
有効期限が移す予定の時期と近いときは、次の更新を誰が手続きするかも尋ねます。期限までに更新されないと、そのドメインのサイトとメールが使えなくなります。
サーバーの契約者
サーバーの契約者はWhoisでは分からないため、請求書と前の会社への問い合わせで確かめます。サーバー会社から自社あてに請求が届いているなら、契約者は自社です。
前の会社からの請求に「サーバー」や「保守」の費用がまとめて入っているなら、前の会社が借りているサーバーにサイトが置かれていると考えられます。メールも同じサーバーで受けているかを、あわせて前の会社に尋ねます。
管理画面のログイン情報
管理画面は、サイトの文章や写真を直すための画面で、確かめるのはログインのIDとパスワードが自社の手元にあるかです。WordPressのように一般に公開されている仕組みで作られたサイトなら、データとログイン情報を受け取れば、新しいサーバーへそのまま移せます。
前の会社が独自に作った仕組みで動いているサイトは、その会社のサーバー以外では動かないことがあります。独自の仕組みで動くサイトは、文章と写真を受け取って作り直します。ログイン情報が見つからないときの取り戻し方は、ホームページを自分で更新できない4つの原因|直すか作り直すかの決め方で紹介しています。
前の会社の仕組みで作られていて、そのままでは移せないサイトではありませんか
移せないサイトを作り直すなら、次の管理会社の変更で困らない条件を先に決めておけます。当社のお店向けのホームページ制作では、文章や写真をお店が管理画面で差し替えられ、2年後にサイトとドメインがお客様のものになります。サービスのページは滋賀のお店向けの案内ですが、県外のお店ともオンラインで打ち合わせます。
メールとサイトを止めずに移す順番
メールとサイトを止めずに移すには、サイトとメールを新しいサーバーへ切り替えてから、ドメインを移管し、最後に前の契約を解約します。前の手順が済むまで次の手順に進まなければ、切り替えの途中も、サイトは前のサーバーと新しいサーバーのどちらかで表示され、メールもどちらかに届きます。
サイトとメールの切り替え
サイトとメールの切り替えは、次の3つの手順で進めます。
新しい会社が、前の会社から受け取ったデータを新しいサーバーに移します。ドメインの向き先(ドメインをどのサーバーにつなぐかの設定)を切り替える前なので、お客様が見ているのは前のサーバーのサイトのままです。新しい会社が用意する確認の方法で、トップページと問い合わせのページの表示を確かめます。
新しい会社が、新しいサーバーに、今使っているのと同じメールアドレスを作ります。パソコンとスマートフォンで同じメールを見ている場合、メールは前のサーバーに置かれているので、切り替えの前にパソコンへ保存します。
ドメインの管理画面に入れる会社が、向き先を新しいサーバーに切り替えます。予約や問い合わせの少ない曜日や時間帯を選ぶと、切り替えの間に届く連絡を減らせます。
向き先を切り替える前に、同じメールアドレスを新しいサーバーに作ります。向き先の切り替えは、すべての人に同時に反映されるわけではなく、反映が終わるまでは前のサーバーにもメールが届きます。反映にかかる時間はドメインの設定で変わるので、新しい会社に目安を聞き、その間は前のサーバーのメールも受信できるようにしておきます。

前の会社しかドメインの管理画面に入れないときは、新しい会社が指定した値への変更を前の会社に頼むか、先にドメインを移管してから新しい会社が切り替えます。どちらにするかは、新しい会社と決めます。WordPressのサイトをドメインはそのままに移す手順は、ドメインをそのまま使うWordPressのリニューアルの手順で紹介しています。
管理会社を変えたら、名刺に載せているメールアドレスやホームページのURLも変わりますか。
編集部
今のドメインをそのまま使えば、URLもメールアドレスも変わりません。変わるのは、サイトとメールを置くサーバーです。ドメインを自社に移せず、新しいドメインを取る場合だけ、両方とも変わります。
ドメインの移管と前の契約の解約
ドメインの移管と前の契約の解約は、新しいサーバーでサイトとメールが動いていることを確かめてから行います。ドメインの移管は、ドメインを登録している会社を、新しい会社が使う会社に替える手続きです。前の会社との契約の中でドメインを管理してもらっているなら、解約するとドメインの管理も終わるため、解約の前に移管します。
移管には、登録している会社を通じて発行される認証コード(AuthCode)が要ります。「.jp」で終わるドメインの認証コードは、発行された日の翌日から数えて35日後に期限が切れます。移管にかかる日数と、移管できない期間は、登録している会社の公式の案内で確かめます。
(参考:ドメイン名の管理指定事業者の変更(日本レジストリサービス))
移管が済んだら、前のサーバーにメールが届いていないことを確かめてから、前の会社に解約を伝えます。
自分でやる作業と新しい会社に頼む作業
移す作業は、自社の契約と社内のパソコンに関わる作業を経営者が行い、サーバーやドメインの設定を変える作業を新しい会社に頼む、と分けられます。新しい会社の見積もりに、頼む作業が入っているかを契約の前に確かめます。

自分でやる作業
経営者が自分でやる作業は次の6つです。契約の確認と解約、移管の承認は、契約している自社でなければ進められません。
- Whoisでのドメインの名義と有効期限の確認
- 契約書と請求書の確認
- 前の会社への情報の受け渡しの依頼
- ドメインの移管の承認
- パソコンとスマートフォンのメールの設定の変更
- 前の会社との契約の解約
前の会社への依頼は、次の文例の〇と△を書き換えて、メールで送ります。
件名:ホームページの管理の引き継ぎに関するお願い
〇〇株式会社 ご担当者様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたび、ホームページの管理を別の会社に引き継ぐことにいたしました。これまでのご対応に感謝申し上げます。引き継ぎのため、次の3点をお願いできますでしょうか。
- ドメイン(〇〇〇.co.jp)の移管に必要な認証コードの発行
- サーバーと管理画面のログインIDとパスワード(パスワードは別のメールでお送りください)
- サイトのデータ一式のお渡し
あわせて、解約の連絡が何日前までに必要かを教えてください。サイトとメールの切り替えが済むまでは、現在のご契約を続けさせていただきます。
お手数ですが、〇月〇日までにご返信いただけますと助かります。
移管の日程がまだ決まっていないときは、1の依頼を外して送り、認証コードは日程が決まってから頼みます。認証コードには、発行から使えなくなるまでの期限があるためです。
新しい会社に頼む作業
新しい会社に頼むのは、サーバーとメールとドメインの設定を変える次の5つの作業です。
- 新しいサーバーへのサイトの移し替えと表示の確認
- 新しいサーバーでのメールアドレスの作成と、メールの設定の値の案内
- ドメインの向き先の切り替え
- ドメインの移管の手続きの案内
- Search Consoleの登録に使うDNSレコードの追加
見積もりに入っていない作業があれば、誰がやるかを契約の前に決めます。決めないまま切り替えの日を迎えると、メールの設定の値を誰も案内しない、といった抜けが起きます。
管理会社を移した後に確かめる4つの項目
管理会社を移した後に確かめる項目は4つで、ドメインの向き先を切り替えた当日と、前の会社に解約を伝える前の2回、経営者が自分で確かめます。フォームの届け先や、ふだんメールをやり取りする相手を知っているのは自社なので、新しい会社に任せきりにしません。
全ページの表示
全ページの表示は、スマートフォンとパソコンの両方で各ページを開いて確かめます。画像の抜けがないかと、アドレス欄に「保護されていない通信」などの警告が出ていないかを見ます。
問い合わせフォームの送信
問い合わせフォームには、サーバーのメール機能を使って送る作りのものがあり、サーバーを移すと届かなくなることがあります。問い合わせフォームは、自分で送って届くまで確かめます。店に届くかと、送った人への自動返信が届くかの2つを見ます。
メールの送受信
メールの送受信は、携帯電話のメールなど社外のアドレスとの間で、送る・受けるの両方を試します。受けられても送れないときは、パソコンやスマートフォンの送信の設定が前のサーバーのままになっています。
Search Consoleの登録
Search Console(Googleの検索でのサイトの表示や問題を確かめる無料のツール)は、前の会社のGoogleアカウントでだけ登録されていることがあります。自社のGoogleアカウントで開き、サイトが一覧に出なければ自社で登録します。ドメイン全体をまとめて登録する方法では、ドメインにDNSレコードを加えて所有権を確認するため、レコードの追加を新しい会社に頼みます。
自社のアカウントで、サーバーに置くHTMLファイルを使って登録していた場合は、そのファイルを新しいサーバーにも移します。移さないと、登録は所有権が確認されていない状態に戻ります。
管理会社の変更でつまずく3つの場面
管理会社の変更でつまずきやすい場面は次の3つで、どの場面も、解約の連絡を出す前に気づけば、サイトとメールを動かしたまま対処できます。
ドメインの名義が前の会社のままのとき
ドメインの名義が前の会社のままだと、移管の承認の連絡も前の会社に届くため、自社だけでは移管を進められません。名義の変更と移管のどちらを先にするかを確かめてから、前の会社へ頼みます。
「.com」などは、登録者の情報を変えると原則60日間は移管できなくなるため、先に移管するか、名義を変える前にこの制限を外せるかを確かめます。「.jp」などで登録者を自社に変える手続きと、変えた後すぐに移管できるかは、ドメインを登録している会社ごとに決まりが違います。どの会社で登録しているかを前の会社に尋ね、その会社の公式の案内で確かめます。
契約書が見つからないとき
契約書が見つからないときは、毎月の請求書と振込の記録から、何に払っているかを書き出します。請求書に「ドメイン」「サーバー」「保守」などの名前で費用が並んでいれば、その分を前の会社が管理していると考えられます。
そのうえで、契約書の写しと、解約の連絡が何日前までに必要かを、前の会社に文面で尋ねます。電話で聞いた答えは、日付と相手の名前を添えてメールで送り、記録に残します。
前の会社から返事が来ないとき
前の会社から返事が来ないときは、期限を書いた依頼をもう一度送り、電話をかけたときは話した内容をメールでも送ります。「.com」などのドメインはICANN Lookupの結果に登録している会社の名前が出るので、名義が自社なら、登録者としてその会社に移管の進め方を問い合わせられます。
名義が前の会社のままで、名義の変更もデータの受け渡しも進まないときは、依頼の記録と契約の書類をそろえて弁護士に相談します。新しいドメインでサイトを作り直す道もありますが、URLとメールアドレスが変わるため、名刺やGoogleマップの店の情報も直すことになります。
管理会社の変更を新しい会社に任せる場合
管理会社の変更に手が回らない経営者には、名義の確認と前の会社への依頼を先に済ませ、サーバーとメールとドメインの設定を新しい会社に任せる方法があります。移管の承認と解約は契約している本人の手続きなので、届いた案内に沿って返事をします。
前の会社の仕組みで動いていて移せないサイトは、作り直しになります。合同会社Writers-hubのお店向けのホームページ制作では、10ページまでのサイトを作り、毎月30分までの打ち合わせをします。ブログやお知らせの個別のページは、10ページに数えません。途中で解約するときは、制作費の残りを払います。
手順はこれで全部です。前の管理会社から乗り換えて作り直すお店には、当社が初期費用0円・月額19,800円(税別・最低2年)でサイトを作り、お店が管理画面で文章や写真を差し替えられ、2年後にサイトとドメインがお客様のものになるようにします。
管理会社を変えるのに合わせて、文章や写真を自分で直せるサイトに作り直しませんか
サイトを作るときに、Googleマップの店名・住所・営業時間・料金もサイトと同じ内容にそろえます。2年たった後も運用を続けるなら、月額5,000円か年5万円(税別)です。サービスのページは滋賀のお店向けの案内です。彦根市とその周辺には訪問もでき、県外のお店とはオンラインで打ち合わせます。







