「このページだけ順位が上がらないから、内容を書き足すしかない」。記事の手直しの相談で、最初にこう言われることがよくあります。以前に見出しを増やして文字数を足したら順位が動いた経験があると、次の1本も同じ手から始めたくなるからでしょう。ところが同じやり方が効かないページに当たると、次に何を調べればいいのかが分からなくなります。
しかし、記事の制作と公開後の手直しを数多く引き受けてきた弊社の立場から言えるのは、ページの不調は本文の質より手前の工程で決まっていることが多いという点です。検索エンジンに登録されていない、狙ったキーワードで表示されていない、表示はされているのにクリックされていない。この3つはどれも本文を書き足しても解消しませんし、確認そのものは数分で終わります。上の工程が詰まったページに本文を足しても順位は動きません。
本記事では、ページ分析で確かめる5つの層と、無料のツールだけで進める手順、層ごとの判断の目安と打ち手までを、記事制作会社の視点で順にお伝えします。
- サイト全体の分析とページ単位の分析で、見るものがどう変わるか
- ページ分析で確かめる5つの層と、確認する順番の理由
- サーチコンソールとアナリティクス4だけで進める手順
- 層ごとの判断の目安と、そこで打てる手
- 内容を書き足しても順位が動かないときに疑う3パターン
SEOのサイト分析とページ分析の違い
ページ分析という言葉は、サイト全体の分析と同じ意味で使われることがあります。ただ、実務で手を動かす対象はまったく違います。
サイト全体を見るときの材料は、ディレクトリごとの流入の偏り、登録されているページの総数、外部から受けているリンクといったドメイン単位の数値です。そこから出る結論は「どのテーマに人と予算を割り当てるか」という配分の話になります。一方でページ単位の分析は、1ページと、そのページで狙うキーワード1つに絞り込みます。扱える数値は減りますが、原因と結果の距離が近いぶん、打ち手が具体的になるのです。
サイト全体の分析で決めるのは、どのテーマを増やし、どのディレクトリを整理するかという配分です。ページ単位の分析で決めるのは、この1ページを手直しするか、別の記事とまとめるか、今は触らないかという3択になります。前者は結論が出るまで3か月から半年、後者は数日から2週間で判断できます。
※ 判断までの期間は、サイトの更新頻度や対象キーワードの検索需要によって前後します。
ここで見落とされがちなのが、ページ分析には狙うキーワードを1つに決める作業が先に来るという点です。狙う言葉が決まっていないページは、順位が高いのか低いのかを判断する基準を持てません。どの検索結果と自分を並べて見るかが定まらないためです。
狙うキーワードは、記事を書いたときに決めていたはずなのですが。
編集部
書いた側の意識では決まっていても、公開後のデータを見ると別の言葉で表示回数が集まっているページは珍しくありません。分析に入る前に、狙った言葉と実際に拾われている言葉が一致しているかを確かめてください。ここがずれていると、以降の数値の読み方も変わります。
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ページ分析で確かめる5つの層
ページの不調は、原因を5つの層に分けると切り分けが進みます。上から順に、検索エンジンに見つけてもらえているか、検索結果に出ているか、出たうえで選ばれているか、開いたあと読み進められているか、そして検索した人の疑問に答えているかの5段です。
層 | 見るもの | 詰まっているときの症状 |
|---|---|---|
1 登録 | 検索エンジンにURLが登録されているか | 表示回数が0のまま増えない |
2 表示 | どの言葉で何回表示されたか | 狙った言葉での表示回数がほぼない |
3 選択 | 表示のうちクリックされた割合 | 表示回数はあるのにクリック数が伸びない |
4 読了 | どこまで読まれて離れたか | 検索から入ってすぐ戻られる |
5 一致 | 検索した人の疑問に答えているか | 上の4層に問題がないのに中位で止まる |

この順番には理由があります。見る順番は、確認に手間のかからない層からという原則です。層1から層3はサーチコンソールで数分もあれば確認でき、しかも見つかった問題の直し方がほぼ一通りに決まります。対して層5は、上位に並んでいるページを読み込み、自分のページに足りない問いを洗い出す作業になるため、半日仕事になることもあるでしょう。
もうひとつ、順番を守らないと判断の材料がそろわないという事情もあります。層1でURLが登録されていなければ表示回数も順位も記録されず、層5で内容の足りなさを測るための数値そのものが手元にありません。上から順に、というのは精神論ではなく、下の層の判断に上の層の数値が必要だという構造の話なのです。
5つの層のうち、層1から層4は見れば答えが出る確認作業です。時間をかけるべきは層5だけで、そこに到達する前に本文を書き足すと、書いた分の効果が測れなくなります。
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サーチコンソールだけで進める分析の手順
ここまでの整理を、実際の操作に落とし込みます。層1から層3までは、Googleが無料で提供しているサーチコンソール1つで完結します。

サイトの所有権を確認すれば誰でも使えるツールで、検索エンジン側が持っている実際の数値を返してくれます。手順は次の4つです。
画面上部の検索窓に対象のURLを貼り付けて、URL検査を実行します。「URLはGoogleに登録されています」と表示されれば層1は通過です。登録されていなければ、noindexの指定(検索結果に出さない設定)、別のURLを指すcanonical(正規ページの指定)、robots.txtによる巡回の制限、そのページへの内部リンクが1本もない状態のいずれかを順に確認してください。
検索パフォーマンスのレポートを開き、ページで対象URLを絞り込みます。そのうえでクエリ(検索された言葉)の一覧を表示回数の多い順に並べると、そのページが実際にどの言葉で検索結果に出ているかが分かります。狙った言葉が上位に見当たらなければ、層2で止まっている状態です。
同じレポートで、対象ページのクリック率と平均掲載順位を確認します。クリック率の水準は業種や言葉によって違うため、絶対値で良し悪しを決めないでください。自分のサイト内で平均掲載順位が近い他のページと並べ、明らかに低いかどうかで判断します。
直近28日間と、その前の28日間を比較します。表示回数が減っているのか、表示はそのままでクリックだけ減ったのかで、疑うべき層が変わるためです。手直しの効果を後から測るためにも、着手前の数値は必ず控えておきましょう。
ここまでで層1から層3の状態が確定します。4つの操作に慣れれば、1ページあたり5分ほどで終わる作業です。

層4の読み進められ具合は、アナリティクス4で補います。見るのはそのページのエンゲージメント時間(実際に見られていた時間)と、スクロールが記録されたかどうかです。既定の設定ではページの9割まで到達した時点で1回だけ記録される仕組みですから、スクロールの記録がほとんどないページは途中で離れられていると判断できます。
表示速度も層4に含まれます。対象URLを計測ツールにかけ、最も大きな要素が表示されるまでの時間を確認してください。Googleが公開している基準では2.5秒以内が良好とされており、スマートフォンの数値がここを大きく超えていれば、画像の重さや広告の読み込みを減らすほうが本文に手を入れるより効きます。
※ 表示速度の基準値は、Googleが公開している Core Web Vitals(ページの体験を測る指標群)に基づきます。

関連記事:Google検索で上位にこない原因|3つの層で切り分ける手順
層ごとの判断の目安と打ち手
5つの層それぞれで、何を見てどう動くかを具体化します。数値の水準はサイトの規模で変わるため、ここでは判断の考え方を中心に示します。
登録されているかの確認
表示回数が0のまま2週間以上動かないページは、まず登録の有無を疑ってください。公開直後は反映に数日かかりますが、2週間経って1回も表示されていないなら、内容以前の問題を抱えている可能性が高いはずです。打ち手は設定の修正で、原稿には触りません。
表示回数と平均掲載順位の読み方
表示回数が極端に少ない期間の平均掲載順位は、判断に使えません。10回しか表示されていない言葉で平均3位と出ていても、たまたま上位に出た回が混ざっただけという場合があるからです。表示回数が一定量ある言葉に絞ってから順位を読むのが実務の基本になります。
クリック率とタイトルのずれ
表示回数があってクリック率だけ低いページは、本文ではなくタイトルの問題です。検索した人は、本文を読む前にタイトルと説明文だけを見て選んでいます。あわせて確かめたいのが、実際の検索結果でタイトルが書き換えられていないかどうか。Googleは内容に合わせてタイトルを差し替えることがあるため、意図した文言がそのまま出ていない場合もあります。
読了の深さと表示速度
スクロールの記録が少なく、見られていた時間も短いページは、冒頭で答えにたどり着けていないと考えられます。結論を後半に置いている記事なら、見出しの並びを入れ替えるだけで滞在が伸びることもあるでしょう。表示速度が遅い場合は、画像の軽量化を先に済ませてください。
検索意図との噛み合わせ
上の4層に問題がないのに順位が中位で止まるなら、原因は内容の側にあります。狙う言葉で実際に検索し、上位のページが答えている問いを書き出してください。自分のページに無い問いが3つ以上あれば、それが不足分です。逆に、狙う言葉と関係のない話が本文の3割を占めているようなら、削るか別記事に分ける判断になります。
層5の作業で陥りやすいのが、上位ページの見出しをそのまま並べ直すやり方です。答えている問いはそろいますが、同じ内容が増えるだけで選ばれる理由は生まれません。足すべきは、上位のどのページも書いていない条件や例外、判断の基準のほうです。
順位が動かない理由を層で分けると、原稿に手を入れる前にやるべきことがはっきりします。難しいのはその先の判断で、ここは数値だけでは決まりません。
原因がどの層にあるか、切り分けまで一緒にやりませんか
5つの層のうちどこで止まっているかは、数値を並べれば見えてきます。時間がかかるのは層5で何を足し、何を削るかを決める工程です。弊社では、対象ページの数値の読み取りから手直しの優先順位づけまで、実際の原稿に落ちる形でお手伝いしています。
ページ分析で誤診が起きやすい3パターン
手順を守っていても、数値の読み方を間違えると打ち手がずれます。相談を受けるなかで繰り返し見かけるのは、次の3つです。
- 表示回数とクリック率を見ずに、順位が低いから本文を足す
- 表示回数の少ない言葉の平均掲載順位を、そのまま成績として扱う
- 自社内の別ページと同じ検索意図で競合していることに気づかない
1つめは最も件数が多く、しかも損失が大きい誤診です。タイトルで選ばれていないページに本文を2,000字足しても、表示回数は変わりません。書いた側には作業した実感が残るのに数値は動かないため、SEOそのものが効かないという結論に行き着いてしまいます。
2つめは、レポートの平均値の性質によるものです。平均掲載順位は表示された位置の平均ですから、表示回数が少ない言葉ほど数値が振れます。手直しの前後で順位を比べるときは、表示回数が同程度ある期間どうしで見るのが安全でしょう。
3つめは、1ページだけを見ていると気づけない問題です。同じ検索意図の記事が自社内に2本あると、検索エンジンはどちらを出すかを決めきれず、日によって表示されるURLが入れ替わります。結果としてどちらも中位で止まったままになります。

見つけ方は簡単で、サーチコンソールで言葉を絞ってからページの一覧を開くだけです。同じ言葉に自社の複数URLが並んでいれば競合しています。どちらを残すかは表示回数と拾えている言葉の幅で決め、片方に内容を寄せて、もう一方からリンクを向ける形が扱いやすいと見ています。
無料ツールと有料ツールの線引き
ページ分析に必要な数値は、無料のツールでほぼそろいます。有料ツールを検討するのは、対象ページが増えて手作業の記録が追いつかなくなってからで十分です。
| サーチコンソール | アナリティクス4 | 順位計測ツール | 競合調査ツール | |
|---|---|---|---|---|
| 費用 | 無料 | 無料 | 月額課金 | 月額課金 |
| 分かる層 | 層1から層3 | 層4 | 層2の推移 | 層5の材料 |
| 導入の手間 | 所有権の確認 | 計測コードの設置 | 言葉の登録 | 契約のみ |
| 数値の出どころ | 検索エンジンの実データ | 自サイトの計測 | 自動計測 | 推定値 |
| 最初に入れるか | ◎ | ◎ | △ | △ |
※ 有料ツールの料金体系は提供元の改定で変わるため、契約前に公式サイトで確認してください。
有料ツールで名前が挙がりやすいのは、被リンクや推定流入を調べるAhrefsやSemrush、日々の順位を記録するNobilista、内部の改善点を洗い出すパスカルなどです。どれも見られる情報は増えますが、有料ツールが増やすのは判断材料の量で、判断そのものは人が下します。
とりわけ注意したいのが、推定値と実データの違いです。競合調査ツールが出す他社の流入数は推定であり、その会社が実際に見ている数値ではありません。自社ページの分析ではサーチコンソールの実データを基準に置き、推定値は上位ページの傾向をつかむための参考に留めるのが安全だと考えています。
分析の結果を手直しに落とす3つの判断
数値を読み終えたら、そのページをどう扱うかを決めます。選択肢は手直し、統合、見送りの3つで、条件がはっきり分かれます。
- 手直しする:狙う言葉で表示回数があり、層5に不足が見つかった
- 別記事とまとめる:同じ検索意図のページが自社内に2本以上ある
- 今は触らない:狙う言葉の検索需要が小さく、上位に立っても流入が見込めない
見送りの判断を先に決めておくことが、実は効きます。手直しできるページは常に手元の時間より多く、全部に手を入れようとすると1本あたりが浅くなるためです。表示回数が月に数回しかないページを直す時間があるなら、表示回数が数千回あってクリック率の低いページのタイトルを書き換えたほうが、同じ工数で戻ってくる流入は大きいはずです。
手直しに入ったら、着手前の数値を必ず控えてから原稿に触ってください。効果の確認は公開から4週間ほど置き、同じ期間の長さで比べます。
直すべきページは分かったのに、書き直す手が足りていませんか
優先順位が決まると、次に詰まるのは原稿の本数です。10本の手直しリストが出ても、通常業務と並行して書けるのは月に1本か2本というご相談を多くいただきます。弊社では、分析で見つかった不足分を反映した原稿の制作を、対象ページ単位でお引き受けしています。
よくある質問
ページ分析の進め方について、実際に寄せられることの多い質問をまとめます。
手直しの前後で1回ずつが基本です。日常的には月に1度、表示回数とクリック率の一覧を眺めて大きく動いたページだけを詳しく見る形で足ります。毎週見ても、検索結果側の日々の変動を拾うだけになりがちです。
できます。5つの層のうち層1から層4は、サーチコンソールとアナリティクス4、表示速度の計測ツールで確認できます。有料ツールが要るのは、対象ページが数十本を超えて記録の手作業が負担になってからです。
すぐには動かさないほうが安全です。検索結果の並びは日々入れ替わるため、1週間程度の下落では原因を切り分けられません。表示回数が2週間以上続けて減っているかを確かめてから、層の確認に入ってください。
表示回数が多く、クリック率が低いページからです。表示されている回数が多いほど、タイトルの書き換えで戻ってくる流入の量が大きくなります。順位だけを並べて下位から手を付けると、需要のない言葉に時間を使うことになります。
まとめ|ページ分析は上の層から順に見る
ページ単位の分析は、原因を上から順に消していく作業です。検索エンジンに登録されているか、狙った言葉で表示されているか、表示のうち選ばれているか、開いたあと読み進められているか。この4つを確かめて初めて、原因が本文の中身にあると言えます。本文に手を入れる判断は、上の4層を確認したあとで下します。
逆に言えば、層1から層4の確認は5分で終わります。順位が上がらないページに出会ったとき、本文を開く前にサーチコンソールを開く。この順番を入れ替えるだけで、手を入れた分が数値に返ってくる確率は上がるはずです。
私たち合同会社Writers-hubは、記事の制作と公開後の手直しを通じて、ページ単位の数値の読み取りから原稿への反映までをお手伝いしています。どの層で止まっているかの切り分けから見てほしいという段階でも構いません。
関連記事:SEO分析とは?順位が付かない原因を4段階で切り分ける手順
どの層で止まっているか、一度見てもらいたいページはありますか
1ページでも構いません。狙っている言葉と現在のURLをお知らせいただければ、5つの層のどこで止まっているかと、次に打つ手の候補をお返しします。分析だけで終わらせず、手直しまで進める形でご提案します。








