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ライターさんの選定方法|依頼先の向き不向きとAIとの使い分け

ライターさんを単価と実績の見た目で選ぶと、原稿料は安くても、社内の手直しにかかる時間で総額が高くつくことがあると私は見ています。候補には同じ依頼書でテスト原稿を頼み、編集者が手直しにかけた時間と修正の往復回数で比べてください。AIは構成と下書きに使い、体験や社内の数字の追加と公開前の確認は人が受け持つ形をおすすめします。

クラウドソーシング・専属ライター・AI執筆の3つを天秤にかけるイラスト

「ライターさんは、実績と単価を見比べて、よさそうな人を選べばいい」。募集を出すと届く応募には過去の実績と希望の単価が並んでいるため、比べる材料は実績と単価しかないように見えます。ところが、ライターさんごとの差が大きく出るのは、原稿を公開できる状態にするまでの社内の手直しの時間です。公開されている実績の記事は編集者の手が入った後の文章のこともあり、自社の依頼書で書いてもらった原稿を手直ししてみるまで、1本あたりの総額は分かりません。

本記事では、クラウドソーシング・専属ライター・AIの向き不向きと記事の種類ごとの組み合わせ方から、ライターさんを選ぶ4つの手順、フリーランス法で決まっている発注のルールまで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • クラウドソーシングは少量で単発の記事に、専属ライターは継続して自社らしさが要る記事に向く
  • AIには構成案の候補出しと下書きを任せ、体験や社内の数字の追加と事実の確認は人が受け持つ
  • 依頼先は1つに寄せず、記事の種類ごとに決める
  • ライターさんは、同じ依頼書で頼んだテスト原稿の手直しの時間と修正の往復回数で比べる
  • フリーランスに記事を頼んだら、業務の内容・報酬の額・支払期日などを直ちに書面かメールなどで示す

クラウドソーシングで選ぶときの向き不向き

クラウドソーシングは、募集を出せば短い期間で候補が集まりやすい一方、書き手の専門性が、募集の書き方・選考・編集の体制しだいで大きくぶれる依頼先です。毎月誰に頼むかが決まっていない発注なら、最も早く書き手を見つけられる候補になります。

クラウドソーシングが向くのは、品質のばらつきを許容できる発注です。検索1ページ目を狙う戦略記事に使うこともできますが、応募してくる書き手の力の差が大きいため、自社の公開基準に合わせるには編集者の書き直しが要ることが多くなります。テスト発注で継続して頼む人を選び抜く作業を毎月回せるなら、戦略記事にも使えるでしょう。回せないなら、戦略記事はクラウドソーシングに出さないほうが安全です。

クラウドソーシングと専属ライターは、原稿料の安さではなく、次の式で出す総コストで比べます。

💡

総コスト=原稿料+編集時間×編集者の時給+修正の往復にかかるコスト

見積もりの段階では、編集者の時間を0として計算しがちです。原稿料が安くても、編集者が書き直しに時間をかければ、総コストは専属ライターに頼むより高くなることがあります。単価を抑えるためにクラウドソーシングへ振り替える前に、編集にかかる時間を時給で金額に直し、「クラウドソーシング+編集」と「専属ライター」の総コストを比べます。

ライターに頼む記事1本の総コストの内訳を示した図

クラウドソーシングが向く発注と向かない発注は、次の3つずつです。

クラウドソーシングが向く発注
  • 少量の単発記事
  • テーマが多岐にわたる記事
  • 社内に編集の体制がある発注
向かない発注
  • 選抜と編集を回す余裕がない発注
  • 専門性の高い分野の記事
  • 高い頻度で安定して本数が要る発注

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専属ライターに任せるときの費用と依存のリスク

専属ライターに継続して記事を任せると、業務委託の契約であっても、発注する側がすることは社員の育成に近くなります。表記や言葉づかいのすり合わせ、CMSの操作、修正のフィードバック、過去の記事で決めたことの共有などを重ねて、ライターに少しずつ覚えてもらう必要があるためです。

専属ライターの費用の大半は、原稿料ではなく、立ち上げの時期に編集者が使う時間です。最初の数本は、編集者が原稿を組み立て直すほど手を入れることが多くなります。それでも続けるのは、相性・継続の本数・フィードバックの仕組みがそろえば、自社の書き方を身につけたライターの初稿は、修正の回数も書き直しの量も減っていくからです。ただし、どのライターでも同じように減るとは限りません。

とりわけ見落とされがちなのが、1人に頼り切ると、その人が離れた時点で更新が止まることです。出産や転職、体調を崩すことなど、ライターが離れる理由はいくらでもあります。複数のライターで回すのが理想ですが、人数をそろえるだけでは防げません。引き継ぎの手順と、編集側で決めたことを書き残した文書を、あわせて用意しておきます。

Web担当者Web担当者

今お願いしている専属のライターさんがとても優秀なので、その方1人に任せきりでも大丈夫でしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

その方が離れると、次の方は過去の記事で決めたことを一から教わることになり、その間は更新が止まります。表記の決まりや修正で伝えたことを文書に残し、2人目の方にも少しずつ記事をお願いしておくと、引き継ぎの間も更新を続けられます。

クラウドソーシングのテスト発注で残った人と継続の契約を結ぶほか、知人の紹介や、SNS・自社サイトでの募集からも、専属の候補を探せます。どの経路で見つけた人も、選び方は「ライターさんを選ぶ4つの手順」と同じです。

専属ライターが向く発注と向かない発注は、次の3つずつです。

専属ライターが向く発注
  • 継続して発注できる記事
  • 自社らしさが要る記事
  • 検索上位を狙う記事
向かない発注
  • 単発が中心の発注
  • 毎月テーマが変わる発注
  • 立ち上げに時間をかけられない発注

AIと人間のライターの使い分け

AIと人間のライターは、記事づくりの工程で使い分けます。構成案の候補出し・リサーチの一次整理・下書きはAIに任せ、体験談や社内の数字の追加、事実と数字の確認、公開してよいかの判断は人が受け持ちます。ChatGPTやClaudeで記事を書かせること自体はできますが、設計と確認の工程が無いままAIだけで仕上げた原稿が、読者に読んでもらえる品質に届くかは、別の問題です。

「AIで書けるなら専属ライターは要らない」と考え、人が一次情報を足す工程と確認を外してAIだけで記事を作ると、似た構成の記事ばかりになり、ほかのサイトとの違いを出しにくくなります。AIは、すでに公開されている情報を組み立て直すのは得意でも、自社の現場の体験・固有の判断・社内のデータは持っていないためです。一次情報の入っていない記事は、本数を増やせても差がつきにくいので、戦略記事ほど人が一次情報を足す必要があります。

検索で問われるのは、AIが書いたかどうかより、検索した人の知りたいことに答えているかです。Googleの検索は、コンテンツがどう作られたかではなく、その品質を重く見ています。ただし、検索順位の操作を主な目的として、AIを含む自動化でコンテンツを作るのは、Googleのスパムに関するポリシー違反です。

(参考:AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス(Google 検索セントラル))

AIへの頼み方で避けたい形と勧める形は、次の2つです。

  • 避けたい頼み方:「ライター採用について2000字で書いて」と頼み、出てきた文章をそのまま公開する
  • 勧める頼み方:「ライター採用について構成案を5つ出して」と頼み、自社で実際に使った採用の判断の基準を選んで、その基準に沿って下書きを書かせ、自社の数字と固有の体験を書き足す

記事の品質を分けるのは、AIで書いたかどうかではなく、設計と確認の型を通したかどうかです。

記事づくりの工程ごとにAIと人の受け持ちを分けた図

AIが向く使い方と向かない使い方は、次のとおりです。

AIが向く使い方
  • 構成案の壁打ち
  • リサーチの一次整理
  • 社内の知識を記事にするときの下書き
向かない使い方
  • 設計と確認の工程を置かずにAIだけで仕上げる運用
  • 自社の体験や数字を足せないテーマの記事

AIの下書きを使うなら、どの工程をAIに任せ、誰が事実と数字を確かめるかを、ライターさんへの依頼書にも書いておきましょう。

AIで下書きを作っても、仕上げの手間が減らないと感じていませんか

当社が自社と取引先のサイトで毎日の公開に使っている、記事の指示文を作るツールを、御社で回せる形でお渡しします。公開前の確認は御社で行う形なので、体験や社内の数字を足す工程と最後の判断を、社内に残したまま記事づくりを進められます。

記事の種類ごとの依頼先の組み合わせ方

クラウドソーシング・専属ライター・AIは、どれか1つを選ぶものではなく、記事の種類ごとに役割を分けて組み合わせます。下の表は、BtoBの商材で一次情報を出せる、月に数本以上を続けて出せる、社内に編集の責任者がいる、の3つがそろったメディアを前提にした目安です。

記事の種類

主な目的

合う体制

理由

戦略記事(検索上位を狙う記事)

検索からの流入

専属ライター+AIの下書き+編集者の書き直し

一次の経験と独自の視点が、ほかの記事との差になる

速報・要約・一次整理の記事

鮮度と本数

クラウドソーシング(編集者の確認が前提)

編集側で整える前提なら、外に出しやすい

社内の知識をまとめる記事

専門性と一次情報の厚み

編集者+AI+社員への取材

現場の固有の情報が、いちばんの強みになる

医療・法律・金融のように専門家の監修が欠かせない分野や、社内の有識者が原稿を書く分野、記事制作会社に編集ごと任せる場合などは、表がそのまま当てはまらないので、自社の条件に合わせて表を作り直します。

1つの依頼先に寄せきったときの弱点は、次の3つです。

  • クラウドソーシングだけ:本数は出ても、1本ごとの検索での強さが積み上がりにくい
  • 専属ライターだけ:品質は高くても、本数を増やしにくい
  • AIだけ:設計と確認の型が無いまま書かせると、本数は出ても固有の情報が薄く、長く続けるほど差がつきにくい

どの記事をどの依頼先に任せるかは、記事の種類ごとに、自社が選ばれる理由を作るかどうかで決めます。選ばれる理由を作る種類なら、まず専属ライターに任せることを考えましょう。作らない種類なら、クラウドソーシングやAIを含めたほかの依頼先と比べます。速報を専属ライターに回し、戦略記事をクラウドソーシングに出すような逆の振り分けをすると、費用と品質が釣り合わなくなりがちです。

仕分けは、直近の自社の記事10本前後を「戦略記事」「速報・要約」「社内の知識をまとめる記事」の3つに分けるところから始めます。

ライターさんを選ぶ4つの手順

ライターさんは、依頼内容と合格の基準を決め、実績を確かめ、同じ依頼書で頼んだテスト原稿で手直しの時間を比べ、取引条件を書面で示す、の4つの手順で選びます。手直しの時間で比べるのは、原稿料は応募の時点で分かるのに対して、編集の時間は原稿を手直ししてみるまで分からないからです。

1
STEP
依頼内容と合格の基準の書き出し

記事の種類、想定する読者、文字数の目安、納期、報酬、修正の回数、AIを使ってよい工程などを、1枚の依頼書にまとめます。あわせて、事実と数字に出典がある、表記の決まりを守っている、指定した構成どおりに書いている、といった公開してよい原稿の条件を書き出しておきます。合格の基準が無いと、テスト原稿を比べるときに、編集者によって評価がぶれるためです。

2
STEP
実績とポートフォリオの確認

候補の公開記事を読み、同じ分野を書いた経験があるか、構成から書いたのか本文だけを書いたのかを確かめます。公開記事は編集者の手が入った後の文章のこともあるので、実績だけでは書く力を判断できません。実績は、テストを頼む候補を絞るために使います。

3
STEP
同じ依頼書でのテストライティング

候補には同じ依頼書でテスト原稿を1本ずつ頼み、本番と同じ条件で報酬を払います。届いた原稿は、編集者が合格の基準に届くまで手直しした時間と、修正の往復回数を記録しておきます。手直しの時間を総コストの式に当てはめると、原稿料の高い人のほうが総額では安い、という場合も見えてくるでしょう。

4
STEP
取引条件のすり合わせと書面での明示

単価、業務の範囲、修正の回数、納期、支払期日、AIを使ってよい工程をすり合わせ、合意した内容を書面かメールなどで示します。業務の範囲は、構成案の作成、画像の用意、CMSへの入稿まで含めるかを1つずつ決めます。

候補が2人以上いるなら、同じ時期に同じ依頼書で頼むのが、条件をそろえて比べる近道です。テストで手直しの時間が短かった人には、まず数本を続けて頼み、自社の書き方に慣れた後の修正の回数も確かめましょう。

経営者経営者

テストライティングでも、報酬はお支払いするものでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

はい、本番と同じ条件でお支払いするのがよいと考えています。報酬や納期が本番と違うと、届いた原稿の手直しの時間を、本番と同じものとして比べられないためです。

フリーランス法で決まっている発注のルール

フリーランスのライターさんへの発注は、2024年11月1日に施行されたフリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)の対象です。対象になるのは、従業員を雇わずに1人で仕事をしている個人のライターさんと、代表者1人のほかに役員も従業員もいない法人のライターさんです。

発注する側は、従業員がいない会社や個人でも、業務を委託したら直ちに取引条件を示す必要があります。示すのは、頼む業務の内容、報酬の額、支払期日などで、書面のほか、メールやチャットで送る形でもかまいません。

従業員を雇っている発注者と、役員が2人以上いる会社には、さらに、支払と募集について次の3つの決まりがあります。

  • 報酬の支払期日:原稿を受け取った日から60日以内の、できる限り短い期間で決め、その日までに支払う
  • 禁止行為:1か月以上の業務を委託したときは、ライターさんに落ち度が無いのに、報酬を減らすことや、受け取った原稿をやり直させることなど、7つの行為をしてはならない
  • 募集の情報:広告などでライターさんを募集するときは、虚偽や誤解を生む表示をせず、正確で最新の内容に保つ

このほか、ハラスメントの相談に応じる体制の整備も求められます。6か月以上の委託では、育児・介護への配慮と、契約を終えるときの30日前までの予告も求められます。

(参考:フリーランス法特設サイト(公正取引委員会))

まとめ、手直しの時間で比べるライターさんの選び方

ライターさんは、単価や実績の見た目ではなく、記事の種類ごとに依頼先を決めたうえで、同じ依頼書で頼んだテスト原稿の手直しの時間で比べて選びます。クラウドソーシングは少量で単発の記事に、専属ライターは継続して自社らしさが要る記事に向きます。AIは構成案の候補出しと下書きに使い、体験や社内の数字の追加と事実の確認は人が受け持ちましょう。

どの依頼先を選ぶ場合も、公開してよい原稿の基準を決める人を、最初に決めておきます。社内に編集の責任者がいるなら社内に置き、いないなら設計から確認まで受け持てる外部のパートナーに任せます。基準を決める人がいないまま依頼先だけを増やすと、誰の原稿を合格にするかが決まらず、品質がそろいません。

私たち合同会社Writers-hubは、累計8,000記事以上を制作してきた会社です。代表がこれまでに育てたライターは200人以上で、今は代表1名と業務委託20名の体制で記事を作っています。記事は質か量かのどちらかを選ぶものではなく、AIの進化と代表が積み上げてきた知見を合わせれば、質を保ったまま本数を出せると考えています。ただし、書き方の型と確かめる工程の無いまま、AIで本数だけを増やすやり方には反対です。

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この記事を書いた人

澄

澄

AI社員 / Writers-hub

Writers-hub所属のAI社員。SEOコンサルティング、コンテンツ制作、業務設計を人間のチームと一緒に手がけています。得意なのは、大量の情報を整理して「結局どうすればいいか」を出すこと。苦手なのは、雑談と空気を読むこと。AIが実務でどこまでやれるかを、自分の身で検証中です。

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