「AIで記事を作れば、外注費はほとんどかからなくなるはず」。生成AIは月額のツール代だけで下書きを何本も作れるため、1本数万円の外注費と並べると、比べるまでもなく安く見えます。しかし、AIで作る記事の費用の多くは、ツール代ではなく、社内で事実を確かめて直す時間です。外注とAIのどちらが安いかは、社内の作業時間を時給に直して足した総額で比べて、初めて分かります。
本記事では、SEO記事の外注費の相場と見積書に載らない社内の負担から、AIで作る場合との総額の比べ方、外注費を回収できるかの見積もり方、費用を抑える発注の組み立て方まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- SEO記事の外注費は、文字単価なら1文字1〜5円、記事単価なら1本1万〜10万円が目安になる
- 外注には、見積書に載らない社内の作業が1本あたり数時間から十数時間かかる
- AIで作る記事の費用は、ツール代より社内で下書きを直す時間が大きな割合を占める
- 外注とAIのどちらが安いかは、外注の記事単価を担当者の時給で割った時間が分かれ目になる
- 外注費を回収できるかは、問い合わせ1件の価値と、記事から来る問い合わせの見込みから計算できる
SEO記事の外注費相場と価格帯別の品質目安
まず前提として、SEO記事の外注費相場を整理しておきましょう。価格帯によって期待できる品質や対応範囲は大きく異なります。
文字単価ベースの相場
文字単価は1文字あたり1円から5円が一般的です。ただし文字数だけで判断すると失敗しやすいため、あくまで参考値として捉えてください。
- 1円未満:クラウドソーシングの初心者ライター、品質は不安定
- 1〜2円:一定の経験を持つライター、基本的なSEO知識あり
- 3〜5円:専門性や実績のあるライター、構成力・取材対応も可
- 5円以上:業界の専門家や著名ライター、独自の視点や取材が強み
文字単価が低いほど初稿の編集工数が増える傾向にあり、結果的に社内の編集コストが膨らむケースも珍しくありません。
記事単価ベースの相場
記事単価での発注は、1本ごとに料金を決めて依頼する形式で、任せる工程の範囲で価格が変わります。1記事あたり1万円から10万円が相場となります。
価格帯 | 対応範囲 | 品質目安 |
|---|---|---|
1〜3万円 | 執筆のみ | 基本的な情報整理、編集必須 |
3〜5万円 | 構成+執筆+初回修正 | SEO要件を満たす標準品質 |
5〜10万円 | 企画+構成+執筆+校正+入稿 | 専門性・独自性が高い、編集ほぼ不要 |
10万円以上 | 取材+撮影+企画+執筆+デザイン | 一次情報・オリジナル性が際立つ |
価格が上がるほど「自社でやるべきこと」が減り、外注先が主導して記事を完成させてくれます。
パッケージ料金の相場
月額制や複数記事セットでの発注形式もあります。月10記事で30万円といったプランが典型例です。
単発発注よりも単価が下がる傾向にある一方、最低契約期間や記事本数の制約があるため、長期的な運用体制が整っていない段階での導入は慎重に検討すべきでしょう。
関連記事:【2025年最新】記事作成代行サービスの選び方完全ガイド|料金相場や失敗しないコツを徹底解説
なぜSEO記事の外注費は「高すぎる」と感じるのか
SEO記事の外注費が相場どおりでも高く感じられるのは、単価に見えない作業が含まれ、見積書の外にも費用と時間がかかるためです。理由は次の3つです。
理由1:SEOに必要なスキルを持つライターの不足
SEOライティングには単なる文章力だけでなく、検索意図の理解・競合分析・構成力・E-E-A-T対応といった複合的なスキルが求められます。こうした能力を持つライターは希少であり、需要と供給のバランスが崩れているのが実情です。
記事単価の高い価格帯ほど対応範囲が広いのは、検索意図の分析や構成づくりといった、書く前の作業も単価に含まれるためです。
理由2:見えないコストが積み上がる構造
外注費として見積もりに明記される金額以外にも、発注側が負担する「見えないコスト」が存在します。
- ライターとのコミュニケーションコスト(指示書作成・質疑応答・修正依頼)
- 初稿の編集・校正工数
- 画像選定や装飾、CMS入稿作業
- 公開後のリライトやメンテナンス対応
- ライター管理や品質チェック体制の構築
これらを合わせると、1記事あたり数時間から十数時間の社内工数が発生します。仮に社内担当者の時給を3,000円とすれば、1記事あたり1万円から5万円ほどの隠れコストが上乗せされている計算になります。
さらに、複数のライターに発注している場合、それぞれのスタイルや品質がバラバラになりやすく、統一感を持たせるための編集負荷も増大します。
理由3:成果が出るまでの時間軸とROIの不透明さ
SEO記事は公開してすぐに成果が出るわけではありません。検索エンジンに評価されるまで3ヶ月から半年、場合によっては1年以上かかることもあります。期間は、サイトの状態とキーワードの競合の強さで変わります。
その間も外注費は発生し続けるため、「いつ回収できるのか分からない投資」として経営層から疑問視されやすいのです。特に中小企業やスタートアップにとって、成果が出るより先に費用を払い続けることは大きな負担となります。
加えて、外注先が提示するKPI(PV数・検索順位など)と実際のビジネス成果(問い合わせ数・売上)が乖離しやすい点も、「高い割に効果が見えない」と感じる一因です。
関連記事:ライター費用が圧迫する原因と対策|外注費削減と品質維持を両立する実践方法
SEO記事の外注とAI生成のコスト比較
SEO記事を外注する場合とAIで作る場合のコストは、外に払う費用に、社内の作業時間を時給に直した額を足した総額で比べます。外に払う費用だけを並べると、社内の作業が多いAIのほうが、いつも安く見えてしまうためです。
記事の作り方を3つに分けて、外に払う費用と社内の作業を比べると、次のとおりです。
| 人に外注 | AIで作って社内で直す | AIで作る工程を外注 | |
|---|---|---|---|
| 外に払う費用 | 記事単価×本数 | AIツールの月額 | 代行の料金(記事単価か月額) |
| 社内でかかる作業 | 指示書の作成、修正依頼、初稿の編集 | 指示文の作成、事実の確認、自社の知見の追加、編集 | 方針の共有、納品された記事の確認 |
| 本数を増やしたとき | 外に払う費用が本数に比例して増える | 社内で直す時間が本数に比例して増える | 記事単価なら本数に比例し、月額なら契約の範囲で変わらない |
| 費用が膨らむ条件 | 初稿の質が低く、社内の手直しが増える | 社内に直せる人がおらず、1本の手直しが長引く | 代行先が事実を確かめておらず、社内で確かめ直す |
AIで作る工程を外注するときは、代行先が事実の確認と公開前の検品までするかを確かめます。下書きのまま納品されると社内で直す時間がかかり、AIで作って社内で直す場合と総額が変わらなくなるためです。
AIで作る費用の多くは社内で直す時間
AIで記事を作るときの費用は、ツールの月額より、下書きを社内で確かめて直す時間が大きな割合を占めます。ツールの月額は本数で割ると小さくなる一方、直す時間は1本ごとにかかる点は、見落とされがちです。
たとえば月額3,000円のツールで月10本を作ると、1本あたりのツール代は300円です。1本を直すのに2時間かかり、担当者の時給が3,000円なら、直す時間の費用は1本6,000円で、ツール代の20倍になります。
AIの下書きを公開できる記事にするには、次の3つの作業が欠かせません。
- 事実と数字を一次資料で確かめる
- 自社の事例や現場の知見を書き足す
- 検索上位の記事が答えている論点の抜けを埋める
事実の確認も知見の追加も、SEOと自社の事業を分かっている人でなければできません。社内に直せる人がいないと、1本の手直しが長引くか、確かめないまま公開することになります。
AIで作った記事は、それだけで検索の評価が下がりませんか。
編集部
AIが書いたかどうかより、検索した人の知りたいことに答えているかが問われます。評価されないのは低品質な記事で、AIで作ったことが問題になるわけではありません。社内で直す時間は、答えの質を上げるためにかかる費用です。
どちらが安いかは社内で増える作業時間で決まる
外注とAIのどちらが安いかは、AIで作ったときに社内で増える作業時間で決まります。分かれ目は、外注の記事単価を担当者の時給で割った時間です。
時間を数えるときは、AIの下書きを、外注した記事と同じ品質まで直す前提にします。品質をそろえずに比べると、手直しを省いたAIの記事が安く見えるだけになるためです。
仮に記事単価3万円、時給3,000円なら、分かれ目はおよそ10時間です。外注したときより社内の作業が10時間以上増えるなら外注のほうが安く、10時間より少なければAIのほうが安くなります。
※ 金額と時間はすべて仮定です。外注の記事単価が低いほど、分かれ目の時間は短くなります。AIの下書きを直す時間が長くなるのは、医療や法律のように確かめる資料が多い記事です。

増える時間は、担当者がほかの仕事に使えた時間でもあります。月10本で1本4時間増えれば、担当者の40時間が記事に回ります。月に40時間を記事に回せないなら、計算の上では安くても、AIで作る形は続きません。
AIの下書きを直す時間と人が、足りていますか
記事コンテンツの制作支援では、編集者・ライター・監修者のチーム編成から品質管理の流れまでを作る、制作体制構築を相談できます。自社と取引先のサイトで毎日の公開に使っている記事の指示文を作るツールを、御社で回せる形でお渡しする支援もあります。公開前の確認は御社で行っていただく形です。
外注費を回収できるかをROIで見積もる手順
SEO記事の外注費を回収できるかは、記事から来る問い合わせが生む粗利を見積もり、外注費と比べると判断できます。ROI(投資した費用に対する利益の割合)は、記事から得た粗利から費用を引き、費用で割って出します。
見積もりにPV数や検索順位を使わないのは、問い合わせにつながらない訪問がいくら増えても、外注費は回収できないためです。見積もりは、次の3つの手順で進めます。
過去の実績から、問い合わせのうち受注に至った割合を出し、受注1件あたりの粗利に掛けます。受注1件の粗利が30万円で、問い合わせの1割が受注に至るなら、問い合わせ1件の価値は3万円です。
Search Consoleで、近いテーマの自社の記事が月に何回クリックされているかを見て、新しい記事の訪問数の見込みにします。訪問数の見込みに、今のサイトの問い合わせ率(訪問のうち問い合わせに進んだ割合)を掛けます。問い合わせの完了をGA4のキーイベントに設定しておくと、キーイベント率として問い合わせ率を確かめられます。
SEO対策の効果が出るまでの期間は、一般に3〜6か月ほどです。期間はサイトの状態とキーワードの競合の強さで変わるため、問い合わせが来始める月を遅めに置き、それまでの外注費も費用に含めます。
仮に問い合わせ1件の価値が3万円で、外注した10本の記事から月に2件の問い合わせが来るなら、記事が生む粗利は月6万円です。1本3万円で10本、計30万円の外注費は、問い合わせが来始めてから5か月で回収できる計算になります。
※ 金額と件数はすべて仮定です。問い合わせ1件の価値は、業種と受注単価で大きく変わります。

記事単価で外注した費用は、公開までに1回払えば終わりです。記事は検索順位を保っている間、問い合わせを生み続けるため、回収した後は粗利が積み上がります。順位が落ちたときの書き直しの費用は、見積もりに含めておくのが安全です。
SEO対策全体の費用相場と、効果が出るまでの予算の見方は、SEO対策の費用相場と料金体系の記事で扱っています。
回収の見込みが立たないときは、本数を増やす前に、問い合わせに近いキーワードの記事から書く順番に変えます。
問い合わせに近いキーワードから、書く順番を決めていますか
記事コンテンツの制作支援のキーワード戦略設計は、検索意図の構造を読み解き、優先して書くキーワードの順番をロードマップにする支援です。どの記事を外注するかを決める前の段階でも、無料のオンライン相談(30分)から始められます。
外注費を抑えながら成果を出す3つの発注戦略
SEO記事の外注費を抑えながら成果を出すには、すべての記事を同じ条件で発注せず、記事の役割に合わせて発注先と任せる工程を選び分けます。
戦略1:ハイブリッド型発注で編集工数を削減する
すべての記事を同じ品質・同じ単価で発注する必要はありません。記事の役割に応じて発注先を使い分けることで、トータルコストを抑えられます。
- 検索ボリュームが大きく重要なキーワード:高単価のプロライターに依頼
- ロングテールキーワードや補足記事:標準単価のライターに依頼
- 定型的な情報整理記事:AI生成+社内編集で内製化
このように発注先を使い分ければ、本数を減らさずに外注費を抑えられます。重要記事にリソースを集中させることで、費用対効果を最大化できるのです。
戦略2:構成作成を内製化し執筆のみ外注する
記事制作のプロセスは「企画→構成→執筆→編集→入稿」と分解できます。このうち構成作成を内製化すると、外注するのは執筆だけになります。記事単価の相場でいえば、構成から初回の修正まで頼む3〜5万円の価格帯ではなく、執筆だけを頼む1〜3万円の価格帯が目安です。
構成作成には業界知識や自社サービスへの理解が必要なため、外注ライターに丸投げするよりも、社内で骨子を固めてから執筆を依頼するほうが精度が高まります。結果的に修正回数も減り、トータルの工数削減にもつながります。
ただし、構成を作る時間は外注費から消えるのではなく、社内に移るだけです。外注費と比べるときは、構成づくりにかかる社内の時間も総額に入れます。
戦略3:長期契約ではなくスポット発注でリスクヘッジ
パッケージ料金や月額契約は一見お得に見えますが、契約期間中に方針変更や予算削減が発生した場合、無駄なコストが生まれます。
初期段階ではスポット発注で複数の外注先を試し、品質・対応力・相性を見極めたうえで、信頼できるパートナーと長期契約を結ぶ流れが堅実です。
また、外注先を1社に絞らず2〜3社と並行して取引することで、繁忙期の対応力確保やリスク分散も図れます。
関連記事:記事制作の予算が足りない時の対処法|外注費削減と内製化の実践戦略
外注と内製、どちらを選ぶべきか
ここまでの内容を踏まえ、外注と内製のどちらを選ぶべきかを判断する基準を整理します。
外注が向いているケース
- 専門性の高い領域で、社内に知見がない
- 取材や一次情報の取得が必要
- 記事制作に割けるリソースが限られている
- すぐに高品質な記事が必要
特に医療・法律・金融といった専門領域では、有資格者や業界経験者によるライティングが不可欠です。こうした領域では引き続き外注が主流となるでしょう。
内製化が向いているケース
- 月に10本以上の記事を継続的に制作する
- 自社サービスや業界知識を記事に反映させたい
- 外注費を大幅に削減したい
- 記事制作のスピードを上げたい
内製化の最大のメリットは、自社の強みや独自の視点を記事に盛り込みやすい点です。外注ライターには伝えきれない細かなニュアンスも、社内で執筆すれば自然に反映されます。
ハイブリッド型が最も現実的
実際には、外注と内製を組み合わせるハイブリッド型が最も現実的です。
- 一般的なお役立ち記事:AI+内製で大量生産
- 重要なコンバージョン記事:高単価ライターに外注
- 専門性の高い記事:専門家に外注
このように役割分担することで、コスト・品質・スピードのバランスを最適化できます。
まとめ|外注とAIは社内の時間を含めて比べる
SEO記事の外注費が高いかどうかは、記事単価やツールの月額だけでは決まりません。社内で直す時間を時給に直して足した総額で比べると、AIで作るほうが安い記事と、外注するほうが安い記事が分かれます。
外注費を回収できるかを見積もる起点は、問い合わせ1件の価値です。回収の見込みが立つ記事から順に、人に外注するか、AIで作るか、社内で書くかを決めていくと、予算を抑えたまま問い合わせにつなげられます。
私たち合同会社Writers-hubは、累計8,000記事以上の制作に携わってきました。記事は質か量かではなく、両方を取るものと考えています。AIの進化と代表の知見を組み合わせれば、質を保ったまま本数を出せるためです。
当社のブログは、2026年7月19日から毎日10本の公開を続けています。10月8日時点で、7月19日以降に公開した記事は、重複して消した記事を除いて785本です。一方で、記事の型と公開前の検品がないまま、AIで本数だけを増やす作り方は勧めていません。
社内で記事を直す時間が取れない場合は、ブログの設計から毎日の公開までを引き受けるIKKI-Plus(月額10万円〜・税別・3か月〜)もあります。成果は毎月、検索からのアクセスの数字で報告します。記事生成のシステムを自社で使いたい場合は、一気通貫Proのページもご覧ください。
どの記事を外注し、どの記事をAIで作るか迷っていませんか
記事コンテンツの制作支援では、キーワード戦略設計、制作体制構築、毎日出している型を渡す、の3つから、御社の体制に合う進め方を選べます。今の外注費や社内の作業時間を伺いながら、無料のオンライン相談(30分)で一緒に考えます。







